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樹上の村
2019/7/25(3/3)
――ごめんなさい。やっぱり私は――
……致命的な無力感に頭の芯までぶん殴られた。
「――ああ、そうかよ。まぁ、そうだろうな。オマエはオマエだし――
カミサマってのはいい身分だよな。オマエに受付だけさせて何処にも顔を出しもしない。
そんなで居ながら俺みてーな要らねぇ手違い(バグ)なんてやりやがる」
「レオン……」
「何が終わりだよ。何が特異運命座標だよ。
この世界が滅ぶのは何時だよ。明日か? 十年後か? 俺が死んだ後か?
その時が来るまで、ここは――オマエは、ずっとこのままかよ。
ああ、オマエはいいのかも知れねえよ。でも俺は御免だね。
ハッキリ言うぞ。誰か一人に押し付けた『ハッピーエンド』なんて沢山だ。
『オマエだけを縛り付ける神託』なんてこの混沌ごと消えちまえ!」
……ああ、くれぐれも苛めてくれるなよ。頭に血が上ったんだよ。
駆け出した俺をざんげが引き止めたかどうかは覚えていない。
最後まで言わせなかったし、聞かせる気も無かった自分の心算だけは覚えている。
吐き捨てた悪態は、忘れたくても忘れられない棘。我ながら自覚して最悪な思い出。今に到る選択。
(俺はざんげが――なだけなのに)
見慣れた空中神殿の景色が揺れて滲んで鬱陶しかった。
……今よりも低い――涙目のガキの視点から見上げるあの女はきっと何より特別だった。
我ながらの馬鹿野郎だ。まさかこんな風になるなんてクソガキだって考えなかったに違いない。
――俺は、この年。もう空中神殿には行かなかった。
――ごめんなさい。やっぱり私は――
……致命的な無力感に頭の芯までぶん殴られた。
「――ああ、そうかよ。まぁ、そうだろうな。オマエはオマエだし――
カミサマってのはいい身分だよな。オマエに受付だけさせて何処にも顔を出しもしない。
そんなで居ながら俺みてーな要らねぇ手違い(バグ)なんてやりやがる」
「レオン……」
「何が終わりだよ。何が特異運命座標だよ。
この世界が滅ぶのは何時だよ。明日か? 十年後か? 俺が死んだ後か?
その時が来るまで、ここは――オマエは、ずっとこのままかよ。
ああ、オマエはいいのかも知れねえよ。でも俺は御免だね。
ハッキリ言うぞ。誰か一人に押し付けた『ハッピーエンド』なんて沢山だ。
『オマエだけを縛り付ける神託』なんてこの混沌ごと消えちまえ!」
……ああ、くれぐれも苛めてくれるなよ。頭に血が上ったんだよ。
駆け出した俺をざんげが引き止めたかどうかは覚えていない。
最後まで言わせなかったし、聞かせる気も無かった自分の心算だけは覚えている。
吐き捨てた悪態は、忘れたくても忘れられない棘。我ながら自覚して最悪な思い出。今に到る選択。
(俺はざんげが――なだけなのに)
見慣れた空中神殿の景色が揺れて滲んで鬱陶しかった。
……今よりも低い――涙目のガキの視点から見上げるあの女はきっと何より特別だった。
我ながらの馬鹿野郎だ。まさかこんな風になるなんてクソガキだって考えなかったに違いない。
――俺は、この年。もう空中神殿には行かなかった。
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何となく残しておくと面白いかも知れないと思ったので記録しておくことにする。