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樹上の村

街角保管室

街角の更新ログ

何となく残しておくと面白いかも知れないと思ったので記録しておくことにする。

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2019/6/19(4/4)

「三つ目は『天の杖』。『薔薇』を戦術的な切り札とするならば、こちらは戦略級となる。
 否、これは人の身が兵器と呼ぶもおこがましい『神の奇蹟』に相違ない。
 ネメシス王家の至宝と呼ぶべきこれは、わしと宮廷聖職者が――命に換えても起動する心算だ」
「まさか、御身を……」
 眉を顰めたレオパルにフェネスト六世は「愚かな」と一喝する。
「ネメシスを守り、導くのが王家の宿命よ。覚悟こそすれ、分かり切った自死等、認めぬわ。
 そのような惰弱、誇り高きこの血も我が神も許されぬ」
「そして、四つ目。これが最後になる」と威厳の王は語る。
「まったく――誰も彼も罪の轍を踏んだものだ」
「――――」
 嘆息に似た王の言葉を、その先を聞いた時、思わずレオパルは息を呑んだ。
 一つ目は聖都。二つ目は大聖堂。三つ目はこの宮殿、問題はあれど所在と為すべきは知れている。
 だが、四つ目だけは今、まだこの場に無いパーツであった。
 否、正しく言えばそのパーツはこれまでネメシスに存在していたが、罪に塗れて消えたそれである。
 聖都は幾重にも手段を用意し、重ね、その時を迎え撃たんとしている――しかし、敵は。
 遥かな昔でも、今より圧倒的に奇跡が身近にあった時代でも倒し難かった真なる魔。
 奈落に張りつめたタイトロープを渡らんとするネメシスの行く末は神ならぬ他の誰にも分かるまい。
 だが、それでも。
「正義を」
 正義を、誇りを。
「神が為に」
 民の為に、家族の為に、愛の為に。
 祝福あれかし、ネメシスよ、静謐と秩序あれ――平穏であれ、調和であれ!
「他ならぬ誰が敗れたとしても、この国が屈する訳にはゆかぬのだ」
 敵が魔種なれば。何よりも深き不正義なれば。
「シェアキム・ロッド・フォン・フェネストの名の下に王命を発する。
 如何な邪悪が相手だとて、悉くを打ち破り、この世に正義があらんと知らしめよ!」
 その心よりの号令は、聖騎士が求める矜持、即ち戦う理由そのものであった――


※『期間限定クエスト』が発生しています。
※アストリア枢機卿の部隊に甚大な被害が発生し続けているようです。
※天義市民からローレットへの評判が、激闘を続けるイレギュラーズを中心として飛躍的に高まっているようです。
※聖都フォン・ルーベルグを中心に、様々な思惑と運命が交差しようとしています……

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