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街角の更新ログ

何となく残しておくと面白いかも知れないと思ったので記録しておくことにする。

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2019/2/1(1/2)

<『凶』の男と傭兵達>

 美しい白銀の翼をはためかせ、一人の女が舞い降りた。
 日差しから逃れるように、薄布を目深にかぶる。
 砂漠の顔色は気まぐれで、過ごしやすいとはとても言えないが――これがラサの冬だ。
 もっとも夏であればそもそも『飛ぶ気にすらなれない』訳だが。そんな事はさて置いて。
 彼女が踏み入ったのは小さな酒場である。
 雑然とした空気を切り裂くように鋭い視線が奥の席から投げかけられた。
 獣種の男三人の存在感は何処にでもある酒場の風景を別の物に変えるかのようである。
「待たせたな。まずは詫びよう」
 女――竜胆・カラシナは涼しげに言うとカウンターからショットグラスを受け取り、奥へと歩んでゆく。
「いいや、今始まった所だぜ」
 答えたジョニー・マルドゥ等の前には既に十数本の空瓶が並んでいた。
「練習をな。しておったのよ」
 そう続けた『白牛』マグナッド・グローリーが豪快に笑う。
「聞かせろ。竜胆」
「ああ。大方の予想通りで間違いない」
 腕を組む『凶』ハウザー・ヤークの問いに、カラシナが答える。
「成る程ね。食い応えがありそうで結構じゃねぇか」
 ハウザーは不敵に笑い杯を煽った。
「まあ座れ竜胆。落ち着かん」
「ん? ああ」
 カラシナも小さなグラスをひと息に煽ると、椅子に腰を下ろす。
 今日、この小さな酒場に集まった四人はそれぞれラサの傭兵団の代表である。
『凶』のハウザー・ヤークは言うまでもなく、それ以外についてもひとかどに名前が知れている。
 ラサ『傭兵』商会連合の歴とした一員、重要なるパーツの一という訳だ。
 そんな彼等の議題は幻想から落ち延びてきた『新生・砂蠍』の残党共の討伐についてであった。
 敵がどこに潜伏しているのか。
 数はいくらか。構成はどうなのか。
 そういった戦略的情報の交換と、子細な協力体制の構築が行われているのである。

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