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何となく残しておくと面白いかも知れないと思ったので記録しておくことにする。

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2018/12/16(1/2)

<北部戦線・収束>

「南部戦線で新生砂蠍の潰走が確認されました。また、陛下もご無事の様子。
 ローレットがやってくれたようですが――こちらも素晴らしいお手並みでした」
 厳格な面立ちに気難しい表情を貼り付けたままの『黄金双竜』レイガルテにそう述べたのは、同じく流麗なその美貌に安堵と疲労の色を貼り付けた『遊楽伯』ガブリエルだった。
 幻想南部――『新生砂蠍』の挙兵を発端に始まった一連の動乱は、レガド・イルシオンの長い歴史の中でも特筆するべき動乱となっていた。国家重鎮たる貴族の彼等も今回ばかりは至極真面目な国防の対応に追われ、不休の指揮対応に努めていたという訳である。
「ザーバがローレットを引き込んだと聞いた時には驚きましたが……
 結果としてほぼ痛み分け――ですが、幾分かは我が国の側に有利があったようですね。
『彼等の活躍』もあり、防衛線は保たれました。
 尤も、ザーバを抑えられなければ、敗北は必至だったでしょうがね」
 ガブリエルの言葉はレイガルテへの報告であり、称賛であり、婉曲な皮肉と試しを含んでいた。
「これも――ザーズウォルカ殿の奮戦あっての事。
 幻想最強の騎士の名は伊達ではありませんね。それにしても流石だ。『リーゼロッテ殿がザーバを抑えつけているその間に、主力たる騎士団を用兵する公爵閣下の采配はお見事でした』」
「ふん」
 ガブリエルが何を言いたいかを鋭敏に察したレイガルテはその言葉を鼻で吹き飛ばす。
「此度の動乱を沈めたのはあくまでフィッツバルディ家――つまりはわしとその伴の用兵よ。
 物事には優先順位と道理というものがあろう。猪武者の小娘はまだまだ青いわ」
 暗殺令嬢のあの憤りを見れば、責めるも酷かも知れない。
 まさに一枚上手という事だろう。
 リーゼロッテはザーバを引き込み、後は任せるというレイガルテの策に一もニも無く飛びついた。
 レイガルテは彼女にそんな餌を出し、配下の黄金騎士をもって最大の戦果を横から掠め取った格好である。
「それで、貴様の方も抜かりはないのであろうな?」

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