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樹上の村

街角保管室

街角の更新ログ

何となく残しておくと面白いかも知れないと思ったので記録しておくことにする。

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2018/11/18(2/3)

「褒章は後に取らすとして……問題はこの後よ」
「その通りですわ!」
 更に過剰なストレスを抱え込んだ『暗殺令嬢』リーゼロッテがここで爆発したように声を上げた。
「この国を荒らし回る賊徒共は殲滅される所か、南部に拠点――橋頭堡を築いたと聞きます。
 あまつさえ私達への対抗姿勢を取り、国盗を口にしていると言うではありませんか。これを許せますの? 公爵様」
「莫迦な。一つ残らず殲滅せねば間違いよ」
「ええ。ええ! そうでしょうとも!
 私達の権利を奪い、名誉を汚し、――た盗賊等捨て置ける筈もございません!
 北部戦線(ここ)を何とかして下さいまし、私が自ら片付けに参ります。そのお願いを出来まして!?」

 ――た。

 その部分だけが小声になったのは恐らく無意識下のものなのだろう、とガブリエルは考えた。

 ――辱めた。

 ――私の友人を捕らえ、辱めた。

「……」
 自身も特異運命座標であり、今回救われる事になったシャーロットが唇を噛む。
「お気になさらず」
 ガブリエルの言葉を受けてもシャーロットは首を振るばかりだった。
 大凡、余人の知るリーゼロッテからは想像も出来ないような言葉にガブリエルは苦笑交じりの感嘆を隠せない。リーゼロッテは極めて頭のいい深窓の令嬢だ。些か短気で武力でモノを解決したがる節こそあれ、珍しい反応であると言わざるを得ない。あまつさえ『自ら出る』とまで言っているのだから……立場上、止めない訳にもいかないが、これは何とも――
「有能な働きには報いる必要がある。今回は助力も吝かではないがな、アーベントロートの。
 しかし、ザーバの出方が知れねば、貴様をこの場から動かす訳にはゆかぬ。
『黄金双竜』の――三世陛下の勅命を受けたわしの名においてな」
「ええ、そうでしょうとも! ですが――」
「――弁えよ。聞き分けよ。貴様はそれ程、愚かな小娘ではあるまい」
「――――」
 最上位の貴族たるレイガルテは家格、実力共に幻想貴族の筆頭であり、フォルデルマンの名代である。
 薄い唇を真一文字に結んだリーゼロッテは酷く不服そうに、歯がゆそうに、何とも言えない表情で黙り込んだ。

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