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樹上の村
2018/7/24
フォン・ルーベルグにて
神聖に満ちた白亜の王都においても、最も厳粛なるその場所は余人の立ち入れぬ特別な場所に違いない。
「どうやら、噂に間違いはないようですな」
そう述べた白き峻厳の騎士・レオパルに国王フェネスト六世は「うむ」と鷹揚に頷いた。聖教国の中枢を成すこの二人が玉座の間に居るのは決して珍しい話ではないのだが、今日に限っては三人目の――客人が居るのが特別なのである。
「ローレットは『シルク・ド・マントゥール』を名乗った魔種の群れを撃滅せしめたという事。
これは主の、天の、そして神託の願いに沿いましょう。
……色々苦労はあったでしょうが、良いご子息を持たれましたな。ルビア殿」
「大変光栄にございます」と如才なく一礼をして見せた貴婦人は、暫し会っていない息子の顔と、もう少し縁が離れてしまった夫の顔を思い出し、嬉しいような寂しいような複雑な感情を覚えていた。このネメシスにおいて魔種を討伐するという事は、非常に大きな意味を持つ。立派な聖騎士になりたいと願っていた息子は少なくともその本懐を果たし始めているのだろうか。
「何でも、諸国で魔種が動き出したとも聞く。
どうやら、事態は余談を許さぬようだ。彼等にも今こそ聖教国で正義を果たしてもらう必要があるだろう」
「全く、その通り。陛下の慧眼には恐れ入ります」
フェネスト六世に頷いたレオパルはちらりとルビアの顔を見た。
ルビアはそれで何となく察する。面子を大事にする聖教国は頭を下げるのが非常に苦手である。
つまり、自分から息子にそれを伝え、それとなくローレットを呼び寄せろという事なのだろう。
(……それ自体は構わないけれど……)
この国は他所の国とはかなり勝手が違う場所だ。この国の正義と、この国の論理と上手く折り合い、上手くやれる事を祈るしか無いのだが、ローレットは果たして――
<リゲル・アークライト (p3p000442)の母親ルビア・アークライト>
フォン・ルーベルグにて
神聖に満ちた白亜の王都においても、最も厳粛なるその場所は余人の立ち入れぬ特別な場所に違いない。
「どうやら、噂に間違いはないようですな」
そう述べた白き峻厳の騎士・レオパルに国王フェネスト六世は「うむ」と鷹揚に頷いた。聖教国の中枢を成すこの二人が玉座の間に居るのは決して珍しい話ではないのだが、今日に限っては三人目の――客人が居るのが特別なのである。
「ローレットは『シルク・ド・マントゥール』を名乗った魔種の群れを撃滅せしめたという事。
これは主の、天の、そして神託の願いに沿いましょう。
……色々苦労はあったでしょうが、良いご子息を持たれましたな。ルビア殿」
「大変光栄にございます」と如才なく一礼をして見せた貴婦人は、暫し会っていない息子の顔と、もう少し縁が離れてしまった夫の顔を思い出し、嬉しいような寂しいような複雑な感情を覚えていた。このネメシスにおいて魔種を討伐するという事は、非常に大きな意味を持つ。立派な聖騎士になりたいと願っていた息子は少なくともその本懐を果たし始めているのだろうか。
「何でも、諸国で魔種が動き出したとも聞く。
どうやら、事態は余談を許さぬようだ。彼等にも今こそ聖教国で正義を果たしてもらう必要があるだろう」
「全く、その通り。陛下の慧眼には恐れ入ります」
フェネスト六世に頷いたレオパルはちらりとルビアの顔を見た。
ルビアはそれで何となく察する。面子を大事にする聖教国は頭を下げるのが非常に苦手である。
つまり、自分から息子にそれを伝え、それとなくローレットを呼び寄せろという事なのだろう。
(……それ自体は構わないけれど……)
この国は他所の国とはかなり勝手が違う場所だ。この国の正義と、この国の論理と上手く折り合い、上手くやれる事を祈るしか無いのだが、ローレットは果たして――
<リゲル・アークライト (p3p000442)の母親ルビア・アークライト>
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何となく残しておくと面白いかも知れないと思ったので記録しておくことにする。