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樹上の村
2018/7/2(2/3)
「君達兄弟が相変わらず仲良くやっているのを見て、安心したよ。
それはそれとして――今夜集まって貰ったのは『神託』の話をしようと思ってね。
神託(あれ)のフェーズに変化があったのは知ってるね?
一年程前になるか。特異運命座標の大量召喚が起きた。
この世界を『救う為』の可能性(パンドラ)はこれまでに有り得ないようなペースで溜まり続けている」
「滅びの運命(けってい)を覆す程に?」
複翼のルストが嘲笑混じりにイノリに問う。
「さあ、それは扉が開かなければ分からない。
だが、彼等が『この世界の悪足掻き』だとするならば――可能性はゼロじゃないんだろう。
僕は神(あれ)を心底信用しちゃいないが……
『誰かを犠牲にして永らえる』その合理性(いきぎたなさ)だけは疑えないからね。
彼等に関してはルクレツィアが詳しいんじゃないか?」
「ああ、そう言えばべそかいて撃退されたんだっけ?」
「オニーサマの言いつけを守っただけでしてよ!」
口元を歪めたバルナバスにルクレツィアが牙を剥いた。
双方で牙を剥く兄妹が些細な事で殺し合いに発展するのは日常茶飯事だ。
もっとも数十年、数百年に一度の大喧嘩を日常と称する事が出来るかは不明だが。
「喧嘩をしないの! ルクレツィア、アンタもレディなんだからそんな顔をしない」
双方を宥めるアルバニアに「苦労が多いですなあ」とベルゼーが気楽な言葉を添える。
「静かになさいな。イノリ様、お話の続きをどうぞ」
「ありがとう、ベアトリーチェ」。イノリは苦笑して再び口を開く。
「君達兄弟が相変わらず仲良くやっているのを見て、安心したよ。
それはそれとして――今夜集まって貰ったのは『神託』の話をしようと思ってね。
神託(あれ)のフェーズに変化があったのは知ってるね?
一年程前になるか。特異運命座標の大量召喚が起きた。
この世界を『救う為』の可能性(パンドラ)はこれまでに有り得ないようなペースで溜まり続けている」
「滅びの運命(けってい)を覆す程に?」
複翼のルストが嘲笑混じりにイノリに問う。
「さあ、それは扉が開かなければ分からない。
だが、彼等が『この世界の悪足掻き』だとするならば――可能性はゼロじゃないんだろう。
僕は神(あれ)を心底信用しちゃいないが……
『誰かを犠牲にして永らえる』その合理性(いきぎたなさ)だけは疑えないからね。
彼等に関してはルクレツィアが詳しいんじゃないか?」
「ああ、そう言えばべそかいて撃退されたんだっけ?」
「オニーサマの言いつけを守っただけでしてよ!」
口元を歪めたバルナバスにルクレツィアが牙を剥いた。
双方で牙を剥く兄妹が些細な事で殺し合いに発展するのは日常茶飯事だ。
もっとも数十年、数百年に一度の大喧嘩を日常と称する事が出来るかは不明だが。
「喧嘩をしないの! ルクレツィア、アンタもレディなんだからそんな顔をしない」
双方を宥めるアルバニアに「苦労が多いですなあ」とベルゼーが気楽な言葉を添える。
「静かになさいな。イノリ様、お話の続きをどうぞ」
「ありがとう、ベアトリーチェ」。イノリは苦笑して再び口を開く。
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何となく残しておくと面白いかも知れないと思ったので記録しておくことにする。