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樹上の村
2018/7/2(1/3)
七罪語りき
幻想(レガド・イルシオン)が似合わない大団円と祝勝に沸く頃。
混沌の片隅、闇の領域。
誰の目も、光も届かない<終焉(ラスト・ラスト)>の片隅に『珍しい顔が揃っていた』。
「うーむ、全員おるのも久方振りですな。ざっと何十――はて、百年は超えておりましたか」
「いやぁね、ベルゼ―。ボケちゃったの? とっくに二百年は超えてるわよ」
天を突く角と竜翼を備えた紳士を女性的な風貌が特徴的な大柄の男が揶揄してみせた。
「いや、これは手厳しい。アルバニア殿は変わりませんな。相変わらず美容にも気を使っておられるようで」
「揃わなかったのはカロン坊やが眠ってばかりいたからでしょう?」
「……ベアトリーチェはすぐ猫のせいにするにゃ。協調性のないルストが悪いんだにゃ」
静かに言った黒いドレスの女に和装を纏った猫――そうとしか呼べない――は語るに落ちる反論をする。
「低レベルな話だな。私を付き合わせたいなら、もう少し己のレベルを上げたまえ」
横合いを水を向けられた複翼の青年はと言えば小さく鼻を鳴らし、そんな言葉を一蹴するばかり。
表面上が談笑の形を取っていようとも、まるでこの場は『煉獄』そのもの。
仮に世界の裏側に巣食う『魔種』なる存在を災厄とするならば、それはきっと黙示録のような光景だ。
身を浸したならば司教さえ信仰を捨て、聖女も姦淫するような。
悪徳の果て、異界の底、決して直視してはいけない絶対の冠位達がここに在る。
「相変わらずですわね。纏まらない連中は。さて、オニーサマ?
こうして私達を集めたのだから、いい加減お言葉を頂きたいものですわね」
「そうだ。いちいち勿体つけんな、イノリ。ぶっ殺すぞ」
「バルナバスは、本当に野蛮ですわねぇ」
機翼の少女は目を細め、隆々たる肉体を誇る青年は「お前もだ、ルクレツィア」とやり返す。
全員の注目を集める美しい男――イノリは、目を細めて好き勝手な一同を眺めている。
バルナバスの言う所の『勿体』をたっぷり嗜んだ後、彼は舞台俳優のように通る声で語り出す。
七罪語りき
幻想(レガド・イルシオン)が似合わない大団円と祝勝に沸く頃。
混沌の片隅、闇の領域。
誰の目も、光も届かない<終焉(ラスト・ラスト)>の片隅に『珍しい顔が揃っていた』。
「うーむ、全員おるのも久方振りですな。ざっと何十――はて、百年は超えておりましたか」
「いやぁね、ベルゼ―。ボケちゃったの? とっくに二百年は超えてるわよ」
天を突く角と竜翼を備えた紳士を女性的な風貌が特徴的な大柄の男が揶揄してみせた。
「いや、これは手厳しい。アルバニア殿は変わりませんな。相変わらず美容にも気を使っておられるようで」
「揃わなかったのはカロン坊やが眠ってばかりいたからでしょう?」
「……ベアトリーチェはすぐ猫のせいにするにゃ。協調性のないルストが悪いんだにゃ」
静かに言った黒いドレスの女に和装を纏った猫――そうとしか呼べない――は語るに落ちる反論をする。
「低レベルな話だな。私を付き合わせたいなら、もう少し己のレベルを上げたまえ」
横合いを水を向けられた複翼の青年はと言えば小さく鼻を鳴らし、そんな言葉を一蹴するばかり。
表面上が談笑の形を取っていようとも、まるでこの場は『煉獄』そのもの。
仮に世界の裏側に巣食う『魔種』なる存在を災厄とするならば、それはきっと黙示録のような光景だ。
身を浸したならば司教さえ信仰を捨て、聖女も姦淫するような。
悪徳の果て、異界の底、決して直視してはいけない絶対の冠位達がここに在る。
「相変わらずですわね。纏まらない連中は。さて、オニーサマ?
こうして私達を集めたのだから、いい加減お言葉を頂きたいものですわね」
「そうだ。いちいち勿体つけんな、イノリ。ぶっ殺すぞ」
「バルナバスは、本当に野蛮ですわねぇ」
機翼の少女は目を細め、隆々たる肉体を誇る青年は「お前もだ、ルクレツィア」とやり返す。
全員の注目を集める美しい男――イノリは、目を細めて好き勝手な一同を眺めている。
バルナバスの言う所の『勿体』をたっぷり嗜んだ後、彼は舞台俳優のように通る声で語り出す。
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何となく残しておくと面白いかも知れないと思ったので記録しておくことにする。