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樹上の村
2019/11/6(3/3)
未だ結論は疑いないが、次の手が必要なのもまた事実だ。そうなれば――」
「――次はアタシかしらねぇ」
イノリの言葉を継ぐようにアルバニアが冗句めいて手を挙げた。
「ネオフロンティアが何だか企んでるみたいなのよね。
彼等が世界の果てを目指して頑張り始めるのは何年ぶりかしら。
まぁ、繰り返してきた失敗だけれど。今度は」
「『不可能を可能にする連中が居る』。ですわね」
「そうそう。ひょっとしたらひょっとしちゃうかも分からない」
合いの手を入れたルクレツィアにアルバニアは肩を竦めた。
『絶望の青』を超え、遠洋の先に遥かな冒険を求めるのはかの国の宿願であり、繰り返されてきた大事業だ。
特異運命座標(イレギュラーズ)という最高の協力者を得た現在、その士気が高まっているというのなら。
「……アタシの出番よね、どう見ても。
人並みの幸せに、あるがままで留まっていれば可愛げもあるのに。
ああ、本当に嫌い。大嫌い。現状を変えるとか。
明日は今日より良い日だろうとか、根拠ないヤツ。
自分だけ幸せになってやるみたいなそういうの、本当に大嫌い」
――妬ましいから――
柔和な面立ちに深い憎悪を覗かせたアルバニアは本人の美貌も相俟ってまさに妖気を湛えている。
「成る程、じゃあ次は君の番になるんだろう。くれぐれも気をつける事だ」
イノリは口元を僅かに歪めて言葉を続ける。
「ベアトリーチェが居ない事が僕は悲しい。君まで除けたら、喧嘩だらけになるじゃないか」
イノリの言葉が冗談か本気かは七罪にも分からず――
「……にゃっ!?」
――ぱちんと鼻ちょうちんを弾けさせたカロンが何とも言えない空気にきょとんとした顔を見せていた。
※終焉(ラスト・ラスト)の狭間で何かが蠢いています……
未だ結論は疑いないが、次の手が必要なのもまた事実だ。そうなれば――」
「――次はアタシかしらねぇ」
イノリの言葉を継ぐようにアルバニアが冗句めいて手を挙げた。
「ネオフロンティアが何だか企んでるみたいなのよね。
彼等が世界の果てを目指して頑張り始めるのは何年ぶりかしら。
まぁ、繰り返してきた失敗だけれど。今度は」
「『不可能を可能にする連中が居る』。ですわね」
「そうそう。ひょっとしたらひょっとしちゃうかも分からない」
合いの手を入れたルクレツィアにアルバニアは肩を竦めた。
『絶望の青』を超え、遠洋の先に遥かな冒険を求めるのはかの国の宿願であり、繰り返されてきた大事業だ。
特異運命座標(イレギュラーズ)という最高の協力者を得た現在、その士気が高まっているというのなら。
「……アタシの出番よね、どう見ても。
人並みの幸せに、あるがままで留まっていれば可愛げもあるのに。
ああ、本当に嫌い。大嫌い。現状を変えるとか。
明日は今日より良い日だろうとか、根拠ないヤツ。
自分だけ幸せになってやるみたいなそういうの、本当に大嫌い」
――妬ましいから――
柔和な面立ちに深い憎悪を覗かせたアルバニアは本人の美貌も相俟ってまさに妖気を湛えている。
「成る程、じゃあ次は君の番になるんだろう。くれぐれも気をつける事だ」
イノリは口元を僅かに歪めて言葉を続ける。
「ベアトリーチェが居ない事が僕は悲しい。君まで除けたら、喧嘩だらけになるじゃないか」
イノリの言葉が冗談か本気かは七罪にも分からず――
「……にゃっ!?」
――ぱちんと鼻ちょうちんを弾けさせたカロンが何とも言えない空気にきょとんとした顔を見せていた。
※終焉(ラスト・ラスト)の狭間で何かが蠢いています……
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何となく残しておくと面白いかも知れないと思ったので記録しておくことにする。