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樹上の村

街角保管室

街角の更新ログ

何となく残しておくと面白いかも知れないと思ったので記録しておくことにする。

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2019/11/6(2/3)

「今日も兄妹仲は良好で大変結構。それから『ありがとう』。アルバニア」
 イノリの言葉を受けてアルバニアは「どうしたしまして」と肩を竦めた。
 彼はふと考える。冠位七罪(きょうだい)が揉め事を起こした時、決まって話を元に戻して仕切り直すのは六位(いもうと)の役割だった。その彼女が今は居ない。何となく役割を受け持ってしまった事実がそれを彼に強く意識させていた。
「君達がどう考えるかは別にして、君達のその言葉がどれだけの本気かは別にして。
 冠位強欲(ベアトリーチェ)が失陥したのは偶然でも奇跡でも無い。そんなフロックは有り得ないんだ。
 いいかい? そこを間違えちゃいけない。
 彼等(てき)は確かに君達からすれば取るに足らない力しか持ち合わせないかも知れない。
 でも、それは彼女(ベアトリーチェ)自身だって感じていた事に違いないだろう。
 だが、話はどうだ? 現実に冠位は欠け、彼女は消滅した。
 ……まぁ、ルストには嫌な仕事をさせてしまったとは思うけど。
 冠位強欲が滅びるというならば、他の冠位が滅びない理由はない。
 まさかそれを認識出来ていない君達とは思わないが」
 イノリの言葉にルストは「フン」と鼻を鳴らす。
 実際問題、ベアトリーチェだったものを消し飛ばしたのは彼だがイノリの言葉は間違っていない。
「自分だけは別」というのが彼当然の言い分だが、『妹を消し飛ばした』のは別に望んでした事では無い。
 彼は絶対に口に出さないが――『そのような事態、出来れば繰り返されないに越したことはない』。
 原罪円卓(かぞくかいぎ)は相反する姿を併せ持っている。
 混沌を罪に染める破壊者の側面と。どのような悪、どのような罪さえ同時に持ち合わせる一縷の『情』。
 それは互いを軽侮し、牽制し、悪罵する表層を見ても決しては浮かび上がらない彼等の一側面である。
 イノリはその全てを正確に理解し、我が子等を諭すように続けた。
「ざんげの『空繰パンドラ』が、特異運命座標によって強く機能している。
 とはいえ、それは『滅びのアーク』も同じ事だ。
 ベアトリーチェは決定打を打てなかったが、世界の混乱は即ち僕達の目的の糧となるだろう。
 元々あんな玩具じゃ、父の悪足掻きでは滅びの未来は変わらない。依然有利は全くもって僕達にある。

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