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樹上の村
2019/10/15(2/2)
「……『カノン』か」
ふと。状況の切迫に目頭を押さえたディルクが呟いたのは『謎の幻想種』の名だ。
カノン。カノン・フル・フォーレと名乗ったらしい。その幻想種は、情報によれば。
その名前は――エッフェンベルグの名に連なる者にとっては『特別な意味』があって――
「あ、あの……」
と、その時だ。部屋へと一人の幻想種の少女が訪れた。
不安げな顔をしながら、しかし『理由』があってここへと来た彼女の名前は。
「わ、私メレスと言います。イレギュラーズの皆さんに助けられて……」
「ああ……話は聞いてたぜ。オラクルの爺に連れまわされてたとか、大変だったな」
「い、いえ……それで、なんですけれど。実は、その。私――
皆がどこに連れていかれたか、分かるかもしれません」
「――そりゃどういう事だ?」
メレスは言う。自分はグリムルートの破壊が間に合った為、連れてはいかれなかったが。
直前。首輪を通して呼びかけられた言葉はこうだった。
『皆で砂の都に行きましょう――』
「『砂の都』……私知ってるんです。ザントマンの御伽噺の続きを」
「……過去の伝承に含められてた、都市の位置情報って事すか!」
喰いついたのはフィオナだ。『砂の都』と言えば、過去にラサに存在し奴隷売買で栄えたとされる伝説上の都市であり――『砂の魔女』なる存在によって沈められた地でもある。多くの財宝と共に広大な砂漠のどこかに沈んでいるとされるのが定説であったが。
「行けるかもしれないっすよディルク! 今の所掴めている情報とこの娘からの情報を合わせれば大分場所が絞り込める筈っす!! ただ、さっきも言ったすけれど後は人手がどうしても……!!」
「分かってるさ。フィオナ、お前はその娘から話を聞いてやれ。俺は別の奴と話をしてくる」
「別の奴――?」
決まってるだろ? 赤犬は口端を吊り上げ、猟犬が如くの笑みを見せれば。
「追加の依頼さ。魔種相手に頼りになる――ローレットのイレギュラーズ達にな!」
「……『カノン』か」
ふと。状況の切迫に目頭を押さえたディルクが呟いたのは『謎の幻想種』の名だ。
カノン。カノン・フル・フォーレと名乗ったらしい。その幻想種は、情報によれば。
その名前は――エッフェンベルグの名に連なる者にとっては『特別な意味』があって――
「あ、あの……」
と、その時だ。部屋へと一人の幻想種の少女が訪れた。
不安げな顔をしながら、しかし『理由』があってここへと来た彼女の名前は。
「わ、私メレスと言います。イレギュラーズの皆さんに助けられて……」
「ああ……話は聞いてたぜ。オラクルの爺に連れまわされてたとか、大変だったな」
「い、いえ……それで、なんですけれど。実は、その。私――
皆がどこに連れていかれたか、分かるかもしれません」
「――そりゃどういう事だ?」
メレスは言う。自分はグリムルートの破壊が間に合った為、連れてはいかれなかったが。
直前。首輪を通して呼びかけられた言葉はこうだった。
『皆で砂の都に行きましょう――』
「『砂の都』……私知ってるんです。ザントマンの御伽噺の続きを」
「……過去の伝承に含められてた、都市の位置情報って事すか!」
喰いついたのはフィオナだ。『砂の都』と言えば、過去にラサに存在し奴隷売買で栄えたとされる伝説上の都市であり――『砂の魔女』なる存在によって沈められた地でもある。多くの財宝と共に広大な砂漠のどこかに沈んでいるとされるのが定説であったが。
「行けるかもしれないっすよディルク! 今の所掴めている情報とこの娘からの情報を合わせれば大分場所が絞り込める筈っす!! ただ、さっきも言ったすけれど後は人手がどうしても……!!」
「分かってるさ。フィオナ、お前はその娘から話を聞いてやれ。俺は別の奴と話をしてくる」
「別の奴――?」
決まってるだろ? 赤犬は口端を吊り上げ、猟犬が如くの笑みを見せれば。
「追加の依頼さ。魔種相手に頼りになる――ローレットのイレギュラーズ達にな!」
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何となく残しておくと面白いかも知れないと思ったので記録しておくことにする。