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樹上の村

街角保管室

街角の更新ログ

何となく残しておくと面白いかも知れないと思ったので記録しておくことにする。

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10/15(1/2)

いざや『砂の都』へ!
 首都ネフェルスト――並びにその近辺で行われた戦いはディルク側の勝利に終わった。
 電撃的に行われた各所への奇襲・戦闘でオラクル派は打撃を受け、後退。
 後は残存の勢力を討伐すれば完全に駆逐できる……
「筈だったんだが、妙な事になってきやがったな」
 ラサの指導者『赤犬』のディルクは若干戦火の跡が残るネフェルストを眺めながらそう呟いた。
 首魁であった『ザントマン』であるオラクル・ベルベーグルスの追撃戦で姿を現した『謎の幻想種』の存在が予想外の展開を齎したのだ。幻想種達を縛る原因となっていた、奴隷用の首輪グリムルート――それ自体は本来、魔種であるオラクルの力により制御されていたのだが。
「ソイツが何かヤベー術を使って『全部乗っ取っちまった』らしいっすよ。それまでの間にグリムルートを破壊してたり、解放してたりした幻想種は無事みたいっすけど、間に合わなかったのは……」
「……大分幻想種の数は救出してる筈だからな。
 そこまで多い数が連れていかれた訳じゃねぇとは思うが」
 思うが――その『謎の幻想種』の存在がオラクルを超える強力な魔種である場合少し話が異なる。
 あくまで傾向としての話だが、強い力を持っている魔種は同時に強い『原罪の呼び声』をも持っているケースが多い。『謎の幻想種』がグリムルートを支配し、幻想種を集め、全てにより強い呼び声を放った場合……反転してしまう幻想種も多々出てしまうのではないか。
 フィオナと共に懸念しているのは『そこ』である。
 あと一歩でザントマン事件が解決しようとしているのに、厄介な事になったものだ。
「フィオナ。攫われた奴らの行き先は掴めてるのか?」
「足跡、つーか魔術の跡つーか……方向だけならなんとなく。ただもうちょい時間がかかりそうっすね」
 オラクル派との戦いは勝利したが、首都で行われた戦いには傷跡が残っている。
 それらの後始末にも人を割かねばならない。
 だがザントマン事件解決の為には一刻も早く足取りを追う必要もあり、そちらにも人手が必要で――

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