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樹上の村
2019/9/20(2/2)
瞬間。この世のモノとは思えない程の凄まじい眩暈がしたので花の騎士は額を抑えた。
倒れなかった事を偶には誰かに褒めて欲しいくらいである。ガッデム。
「…………んんっ。陛下、どうかご安心を。それは昨今深緑とラサで色々『問題』が発生している為でして……それらが解決すればまた全ては元通りになる筈です」
「うん? 深緑とラサ? って、何かあったのかい?」
「はい。昨今、色々」
詳しく説明しても『そっかぁ、大変な事が起こってるんだなぁ!』で終わりそうなので省いたが、かの国々では『深緑の幻想種拉致事件』が相次いでいる。
あくまで他国の事であるので自らの元には断片的な情報が舞い込んでくる程度だが……ラサに対し不信を抱きつつある深緑は、再び他国との交流を制限すべしとする機運が高まっているらしい。王のピーナッツバターとやらもその影響の一端だろう。単純に在庫切れかもしれないが。
ともあれ向こうの件はイオニアスと異なり幻想に直接関係はない事件である。
だがそれでも事態の推移次第では――例えば深緑からの物や人の流れが大きく変わる可能性もあるだろう。
特に渦中の国である深緑とラサに関しては、その二国間でのみ繋がっている『特別な同盟関係』という糸も含めた全てが、だ。遥か過去から紐付いている積み重なりが崩れないとも――限らない。
(……聞き及んだ話では主犯格の存在に目星は付いた、との事ですが)
花の騎士は思考する。サーカスから始まりここ最近は魔種の動きが強い、と。
特に天義ではそうそう類を見ない規模の魔種達の暗躍があったばかりであり、イオニアス・フォン・オランジュベネに関しても魔種の一人だ。では――深緑とラサの件に関しても、もしかすれば『裏』に潜んでいるのは――
「……仮にラサの事態も『そう』であったのならば」
ラサもまた彼らの力を借りる事になるかもしれない。
滅びのアークを防ぐ為に活動している特異運命座標達。魔種の天敵と呼べる存在。
――ローレットの力を。
瞬間。この世のモノとは思えない程の凄まじい眩暈がしたので花の騎士は額を抑えた。
倒れなかった事を偶には誰かに褒めて欲しいくらいである。ガッデム。
「…………んんっ。陛下、どうかご安心を。それは昨今深緑とラサで色々『問題』が発生している為でして……それらが解決すればまた全ては元通りになる筈です」
「うん? 深緑とラサ? って、何かあったのかい?」
「はい。昨今、色々」
詳しく説明しても『そっかぁ、大変な事が起こってるんだなぁ!』で終わりそうなので省いたが、かの国々では『深緑の幻想種拉致事件』が相次いでいる。
あくまで他国の事であるので自らの元には断片的な情報が舞い込んでくる程度だが……ラサに対し不信を抱きつつある深緑は、再び他国との交流を制限すべしとする機運が高まっているらしい。王のピーナッツバターとやらもその影響の一端だろう。単純に在庫切れかもしれないが。
ともあれ向こうの件はイオニアスと異なり幻想に直接関係はない事件である。
だがそれでも事態の推移次第では――例えば深緑からの物や人の流れが大きく変わる可能性もあるだろう。
特に渦中の国である深緑とラサに関しては、その二国間でのみ繋がっている『特別な同盟関係』という糸も含めた全てが、だ。遥か過去から紐付いている積み重なりが崩れないとも――限らない。
(……聞き及んだ話では主犯格の存在に目星は付いた、との事ですが)
花の騎士は思考する。サーカスから始まりここ最近は魔種の動きが強い、と。
特に天義ではそうそう類を見ない規模の魔種達の暗躍があったばかりであり、イオニアス・フォン・オランジュベネに関しても魔種の一人だ。では――深緑とラサの件に関しても、もしかすれば『裏』に潜んでいるのは――
「……仮にラサの事態も『そう』であったのならば」
ラサもまた彼らの力を借りる事になるかもしれない。
滅びのアークを防ぐ為に活動している特異運命座標達。魔種の天敵と呼べる存在。
――ローレットの力を。
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何となく残しておくと面白いかも知れないと思ったので記録しておくことにする。