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樹上の村
2019/9/14(2/3)
それは、一人の男の演説だった。そもそも、その男が言う、我らが主とやらのせいで制限された筈だった。
(……だが、何だァ? こいつは……)
男の演説に、興味を引かれている民衆が、少なからずいる。
その者達は一斉に男に対して叫ぶ。
大したことを言っているわけではなさそうなのに、まるで熱に浮かされたような熱狂ぶりだ。
(……原罪の呼び声か)
思い当たる節はそれのみ。防ぐべきかと動こうとした足を止める。
人々の塊は、確実に増え続けていた。これは、自分だけでは対処できまい。
フードを目深にかぶり、影へ溶けるように身を翻した。
「どっせぇぇぇい!! ……ふぅ」
『ハッピーエンドを紡ぐ女』ウィズィ ニャ ラァム(p3p007371)はたった今斬り下ろした魔物の方を眺めて愛用のテーブルナイフをくるりと回す。
「……あれ?」
毎度であれば雄叫びを挙げてこちらに突っ込んできて、最期まで戦う魔物のはず。
であるというのに、今回のそいつは動きが違った。
ウィズィがもう一度ナイフを構えた頃には、そいつは尻尾巻いて走り去っていったのだ。
見上げれば、怪鳥の姿もない。
さすがに不自然が過ぎて、ウィズィが走り出すと――直ぐにソレは姿を見せた。
「……これは私一人だと手に負えないですね!」
一人の男を取り巻くように集まる複数の魔物。
ただそれだけなら、これまでも見たが、今回は連携がしっかりしつつある。
気づかれぬようにウィズィはその場を走り去ると、追っ手を巻くように駆け抜けた。
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それは、一人の男の演説だった。そもそも、その男が言う、我らが主とやらのせいで制限された筈だった。
(……だが、何だァ? こいつは……)
男の演説に、興味を引かれている民衆が、少なからずいる。
その者達は一斉に男に対して叫ぶ。
大したことを言っているわけではなさそうなのに、まるで熱に浮かされたような熱狂ぶりだ。
(……原罪の呼び声か)
思い当たる節はそれのみ。防ぐべきかと動こうとした足を止める。
人々の塊は、確実に増え続けていた。これは、自分だけでは対処できまい。
フードを目深にかぶり、影へ溶けるように身を翻した。
「どっせぇぇぇい!! ……ふぅ」
『ハッピーエンドを紡ぐ女』ウィズィ ニャ ラァム(p3p007371)はたった今斬り下ろした魔物の方を眺めて愛用のテーブルナイフをくるりと回す。
「……あれ?」
毎度であれば雄叫びを挙げてこちらに突っ込んできて、最期まで戦う魔物のはず。
であるというのに、今回のそいつは動きが違った。
ウィズィがもう一度ナイフを構えた頃には、そいつは尻尾巻いて走り去っていったのだ。
見上げれば、怪鳥の姿もない。
さすがに不自然が過ぎて、ウィズィが走り出すと――直ぐにソレは姿を見せた。
「……これは私一人だと手に負えないですね!」
一人の男を取り巻くように集まる複数の魔物。
ただそれだけなら、これまでも見たが、今回は連携がしっかりしつつある。
気づかれぬようにウィズィはその場を走り去ると、追っ手を巻くように駆け抜けた。
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何となく残しておくと面白いかも知れないと思ったので記録しておくことにする。