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樹上の村
2019/9/12(1/2)
綻ぶ落陽
縛り上げられた兵士を見下ろして、『付与の魔術師』回言 世界(p3p007315)は静かに戦闘の激しさっでずれ落ちかけていた眼鏡をスッと上げ直す。
「……あぁ、分かった。分かったよ。降参だ。俺は、降参する。
アンタらに情報を提供するさ。その代わり――」
少しばかり上等な装備をしたその兵士は、世界を見上げてそう呟いた。
「言うだけ言ってやるぜ。その情報が正しいかの証明が取れないことにはどうしようもないだろうが」
「……はっ、それもそうだ。いいか、イレギュラーズ。
我ら兵士長はあの方から直々の下命を頂くものだ」
兵士長――自らの立場をそう告げた男は、ひとたび目を閉じる。
「そうだ。我らはあの方に忠実である。あの方と――我らがオランジュベネ家に。
だからこそ、あのお方はそのお力を十全にして――我らに直に命じたのだ。
怒りを煽り、我が下に集めよと。貴様らにはその力を分け与えようと」
「つまりアンタは、怒りの感染源ってことか……だが、今自分で忠実だと言っていただろ。
情報を漏らせばこっちの有利になる」
「――――だからこそだ。我が主は負ける。あのお方の無謀を止めるのに、裏切り者とそしられること程度受け入れよう!」
ぎらつくその目には若干の狂気を纏っている。
幸いにして、世界は『旅人』であった。この世界の――原罪の呼ぶ声に、導かれることはないのだ。
尋常じゃない速度で爆ぜるような急加速を遂げた大剣が、魔物を断ち割り、兵士に刃を突き付けた。
「ひぃぃぃ!!」
突き付けられた兵士が、手を挙げて慌てふためいた。
その様子を見下ろしているのは可愛らしい町娘だった。
目を引くほどの大剣を突き付ける『大体普通の町娘』プラウラ・ブラウニー(p3p007475)は、そいつを縛り上げてからほっと一息ついた。
「へ、兵士長はいるか!? いないか! いないよなぁ!」
震え声でその兵士がプラウラをみる。兵士長――であるのかは知らないが、今ここには彼以外居ない。
「あぁ、良かったぁ……助けてくれ! 頼むよ! この通りだ!!」
縋りつくようにして兵士がそう告げる。
「じょ、情報がある! 情報があるんだ! 頼むよ!」
震える声でそう告げる兵士に、プラウラは少し首をかしげる。
綻ぶ落陽
縛り上げられた兵士を見下ろして、『付与の魔術師』回言 世界(p3p007315)は静かに戦闘の激しさっでずれ落ちかけていた眼鏡をスッと上げ直す。
「……あぁ、分かった。分かったよ。降参だ。俺は、降参する。
アンタらに情報を提供するさ。その代わり――」
少しばかり上等な装備をしたその兵士は、世界を見上げてそう呟いた。
「言うだけ言ってやるぜ。その情報が正しいかの証明が取れないことにはどうしようもないだろうが」
「……はっ、それもそうだ。いいか、イレギュラーズ。
我ら兵士長はあの方から直々の下命を頂くものだ」
兵士長――自らの立場をそう告げた男は、ひとたび目を閉じる。
「そうだ。我らはあの方に忠実である。あの方と――我らがオランジュベネ家に。
だからこそ、あのお方はそのお力を十全にして――我らに直に命じたのだ。
怒りを煽り、我が下に集めよと。貴様らにはその力を分け与えようと」
「つまりアンタは、怒りの感染源ってことか……だが、今自分で忠実だと言っていただろ。
情報を漏らせばこっちの有利になる」
「――――だからこそだ。我が主は負ける。あのお方の無謀を止めるのに、裏切り者とそしられること程度受け入れよう!」
ぎらつくその目には若干の狂気を纏っている。
幸いにして、世界は『旅人』であった。この世界の――原罪の呼ぶ声に、導かれることはないのだ。
尋常じゃない速度で爆ぜるような急加速を遂げた大剣が、魔物を断ち割り、兵士に刃を突き付けた。
「ひぃぃぃ!!」
突き付けられた兵士が、手を挙げて慌てふためいた。
その様子を見下ろしているのは可愛らしい町娘だった。
目を引くほどの大剣を突き付ける『大体普通の町娘』プラウラ・ブラウニー(p3p007475)は、そいつを縛り上げてからほっと一息ついた。
「へ、兵士長はいるか!? いないか! いないよなぁ!」
震え声でその兵士がプラウラをみる。兵士長――であるのかは知らないが、今ここには彼以外居ない。
「あぁ、良かったぁ……助けてくれ! 頼むよ! この通りだ!!」
縋りつくようにして兵士がそう告げる。
「じょ、情報がある! 情報があるんだ! 頼むよ!」
震える声でそう告げる兵士に、プラウラは少し首をかしげる。
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何となく残しておくと面白いかも知れないと思ったので記録しておくことにする。