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樹上の村
2019/8/27(2/2)
イオニアスはそれを見とめると、その顔に一層の憤怒をみなぎらせた。
「悍ましい――水ぼらしい姿になりおって。お前のような愚か者が
我が妹ということが腹立たしいわ」
格子を叩き折り、牢屋の内側に入ったイオニアスは、進み出て、女の頭を握り――直後にキィィィンと音が響く。
目を見開いた女は、喚き散らしながらイオニアスの腕をつかみ――やがて両耳から血を垂らしながら崩れた。
「――――キサマよりは、まだ息子の方がマシだったな。
――――腹立たしきは、アレにはブラウベルクの血が流れていたことか」
握っていた女の頭を握ったまま、苛立ちを露わに女を放り捨てる。ごしゃりと聞こえた音を無視して、イオニアスは踵を返した。
「おい、あれは処分しておけ」
看守の変事を待つことなく、イオニアスはその場を立ち去り、重々しい扉を押し開いく。
「ふん、黄昏れが近いか……」
沈み行きつつある陽光のオレンジを眺め、男は嗤う。
燻ぶる怒りを内に押し留め続けていた。
これは、そう。その日を待つために――。
己が悲願のために、老子爵は嗤い続ける。
イオニアス・フォン・オランジュベネの第二撃が発生しました。
関連クエスト『Battle of Orangebene 』
イオニアスはそれを見とめると、その顔に一層の憤怒をみなぎらせた。
「悍ましい――水ぼらしい姿になりおって。お前のような愚か者が
我が妹ということが腹立たしいわ」
格子を叩き折り、牢屋の内側に入ったイオニアスは、進み出て、女の頭を握り――直後にキィィィンと音が響く。
目を見開いた女は、喚き散らしながらイオニアスの腕をつかみ――やがて両耳から血を垂らしながら崩れた。
「――――キサマよりは、まだ息子の方がマシだったな。
――――腹立たしきは、アレにはブラウベルクの血が流れていたことか」
握っていた女の頭を握ったまま、苛立ちを露わに女を放り捨てる。ごしゃりと聞こえた音を無視して、イオニアスは踵を返した。
「おい、あれは処分しておけ」
看守の変事を待つことなく、イオニアスはその場を立ち去り、重々しい扉を押し開いく。
「ふん、黄昏れが近いか……」
沈み行きつつある陽光のオレンジを眺め、男は嗤う。
燻ぶる怒りを内に押し留め続けていた。
これは、そう。その日を待つために――。
己が悲願のために、老子爵は嗤い続ける。
イオニアス・フォン・オランジュベネの第二撃が発生しました。
関連クエスト『Battle of Orangebene 』
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何となく残しておくと面白いかも知れないと思ったので記録しておくことにする。