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樹上の村

【RP】小さな祝宴【1:1】(シラス君と)

「これでよし、と!」

ツリーハウスの食卓に並べられたのは、大小いくつかの料理。
普段は自分だけだから、と使っていないスペースのほうが多いこの食卓も、客が来る時は大忙しだ。
ファルカウを取り戻したことでどうにか再開した『フローラリア』から頂いたケーキも並べ、準備は万全。

「後はシラス君を待つだけ、だね!」

ハッキリと時間を約束したわけじゃないので、どうにもソワソワと窓から外を伺ってしまう。
そろそろ来る頃だろうか……ファミリアーには、見つけたら戻ってくるようにと伝えてあるのだけれど……

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「乾杯!しましょうしましょう!
 といっても、ここにはジュースとお茶くらいしかないけれど!」

シラス君もいつもの調子を取り戻してくれただろうか。
やっぱり、いつまでも暗い調子でいるのは私たちには似合わない。
辛くったって、どんなに困難だったとしても、前に進んでいかなくちゃ。

「そうだね、ある意味冒険だ!
 奇跡の代償を、返上する方法を探すための次なる冒険!
 なら、今までと何も変わらないね!」

実際は、この記憶が消えていくことでいろいろな不都合は起きるだろう。
でも、きっと何があってもその心構えは変わらない。
未知を求めて、困ってる人を助けて、みんなの笑顔を守る。
それはきっと私の『魂』が覚えていてくれる。だから、心配しなくたって大丈夫だ。

「それにさ、呪いのひとつやふたつくらい掛かってたほうが、なんとなく『魔女』っぽくない?」

もともとひとつ、呪いのような病がある。
ならばこれでふたつめか。
ひとつめの呪いは、これがなければ今の私はなかった。
だからふたつめも、きっと大切な何かになるかもしれない。

おしゃべりもそこそこに、お互いのグラスにジュースを注いで。
さあ乾杯の準備は万端だ。

「それじゃあ、えーと……
 新しい冒険の門出をお祝いして、かんぱーい!」

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