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樹上の村

【RP】小さな祝宴【1:1】(シラス君と)

「これでよし、と!」

ツリーハウスの食卓に並べられたのは、大小いくつかの料理。
普段は自分だけだから、と使っていないスペースのほうが多いこの食卓も、客が来る時は大忙しだ。
ファルカウを取り戻したことでどうにか再開した『フローラリア』から頂いたケーキも並べ、準備は万全。

「後はシラス君を待つだけ、だね!」

ハッキリと時間を約束したわけじゃないので、どうにもソワソワと窓から外を伺ってしまう。
そろそろ来る頃だろうか……ファミリアーには、見つけたら戻ってくるようにと伝えてあるのだけれど……

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嗚呼、やはり。
驚きとともに目を伏せてしまった彼をみやり、少しの後悔に襲われる。
心配させてしまうならば、不安を伝染してしまうのならば。
秘めておくべきだったかもしれない。悲しい顔は、見たくはない。

それでも、吐いた言葉は飲み込めない。
なにより、これ以上隠し事をしたままでいたくはなかった。
それは共に戦ってくれた彼への裏切りにも等しいと感じるから。
だから、言葉を続ける。

「うん……他にも……」

日記のページを捲りながら、萎れてしまった記憶を示していく。
いつか豊穣で菊の花を見たこと
ラサでバザールを回ったこと
幻想の空き家で怪奇現象に出会ったこと……
どれも記憶の器に大切に生けていたものだった。
もののはずだった、のだろう。きっと。それも思い出せない。

「欠けていると思ったのは、奇跡の後から。
 その時はまだ気の所為かも、と思っていたんだけれど……」

今でも、そう思いたいという気持ちはある。
ただ、きっとこれは消えない呪いのようなものなのだろうという確信もある。

「……ありがとう。そうだね、なんとかしたい。
 これまで一緒に積み上げてきたものが全部なくなってしまうなんて、そんなの私も嫌だもの」

それでも、同時に思う。
これが奇跡の代償だとしたら、きっと生半可なことでは解けることはないのだろうとも。

「でも、無理はしないでほしいんだ。
 どういう理屈でこうなってしまったのかはわからない。
 治す方法も見当もつかない」

だから──

「これからも一緒に遊んでほしい。冒険に連れて行ってほしい。
 消えた分だけ、新しく思い出を増やしてほしい」

そうすれば、少なくともシラス君のことを忘れてしまうことはないだろうから。
もちろん、記憶がもっと急速に消え失せていけば別かもしれない。
いつか私が『私』すらも忘れてしまうようなことがあればどうなるかもわからない。
でも、そんな形にもならない不安を見せても、いたずらに彼に心配をさせるだけだ。

ゆえに、笑って話しかける。
うまく笑えているかはわからないけれど。

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