ギルドスレッド
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樹上の村
「あはは、そんなに気合いれなくても、シラス君はきっと大丈夫だよ」
シラス君が喜んでくれている姿を見て、先程までの不安は凡そ霧散した。
その顔が見られるなら、私の不安なんて些細なことなのだから。
体調のせいだろうか、少し後ろ向きになりすぎたかもしれない。
「でも、作法のこととか教えてもらえるなら嬉しいな。
私は、そういう場面についてあんまり経験も知識もないし……
身体がよくなったら、練習もできるならしたいな。
あ、もちろん自分でも勉強はしておくからさ!」
言いつつ、舞踏会に関する本は持っていただろうかと考える。
お父さんなら色々詳しく知っているだろうか?
ドレスはどこで仕立ててもらうのがいいのだろう?
シャイネンナハトまでそんなに時間もないし、急いだほうがいいのだろうか?
デザインはどうしよう、そういえばこないだの仕事の──
行くと決まれば、色々と考えが浮かんでくる。ソワソワとする。
我ながら現金なものだと少しおかしくなる。
さらにその後のシラス君の言葉を聞いて、思わず「ふふっ」と笑ってしまった。
「そうかなあ、どうだろう?
私、これ以上改まった場所なんかに立ったら、きっと落ち着かなくてその前に逃げ出しちゃうよ。
ああ、そうだ。そういうときはシラス君に代わりに出てもらおう!」
整然とした場に出る自分を全然イメージできなかったから。
フォーマルな装いをして、作法もきっちりと、なんて想像するととっても似合ってなくて。
そんな場には縁がなさそうだなあと笑みが溢れる。
でも、シラス君はそうじゃないから。彼の努力は……表も裏もよく知っているから。
「でもそうだね、それじゃあ改めて。
エスコート、よろしくおねがいしますね!」
シラス君が喜んでくれている姿を見て、先程までの不安は凡そ霧散した。
その顔が見られるなら、私の不安なんて些細なことなのだから。
体調のせいだろうか、少し後ろ向きになりすぎたかもしれない。
「でも、作法のこととか教えてもらえるなら嬉しいな。
私は、そういう場面についてあんまり経験も知識もないし……
身体がよくなったら、練習もできるならしたいな。
あ、もちろん自分でも勉強はしておくからさ!」
言いつつ、舞踏会に関する本は持っていただろうかと考える。
お父さんなら色々詳しく知っているだろうか?
ドレスはどこで仕立ててもらうのがいいのだろう?
シャイネンナハトまでそんなに時間もないし、急いだほうがいいのだろうか?
デザインはどうしよう、そういえばこないだの仕事の──
行くと決まれば、色々と考えが浮かんでくる。ソワソワとする。
我ながら現金なものだと少しおかしくなる。
さらにその後のシラス君の言葉を聞いて、思わず「ふふっ」と笑ってしまった。
「そうかなあ、どうだろう?
私、これ以上改まった場所なんかに立ったら、きっと落ち着かなくてその前に逃げ出しちゃうよ。
ああ、そうだ。そういうときはシラス君に代わりに出てもらおう!」
整然とした場に出る自分を全然イメージできなかったから。
フォーマルな装いをして、作法もきっちりと、なんて想像するととっても似合ってなくて。
そんな場には縁がなさそうだなあと笑みが溢れる。
でも、シラス君はそうじゃないから。彼の努力は……表も裏もよく知っているから。
「でもそうだね、それじゃあ改めて。
エスコート、よろしくおねがいしますね!」
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秋も終わり、冬が差し迫る頃。
ツリーハウスの窓から差し込む夕陽に目を覚ます。
「……また寝ちゃってたのか……」
あの激しいカムイグラでの決戦を戦い、最低限の事後処理を終えて家に着いたのは数日前のことだったか。
とにかく今は、身体が休息を欲していた。
元々体力に自信がある方ではなかったことに加え、自凝島の脱出行からさして間をおかずに大きな戦いに臨んだ身体はもはや気力だけで動いているような状態だったのだ。
なればこそ、帰り着くやいなや糸が切れたように眠りこけていたのも当然で、一度目覚めてからも寝る以外の行動は最小限だった。
「おなかすいた……」
ベッドから抜け出そうと、ゆっくりと身を起こす。
寝起きと疲労で曖昧な意識のなかでも、何か食べなければという気持ちだけは確かにあったのだ。
(シラス様との1:1のスレッドです。当事者以外の書き込みはご遠慮ください)