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樹上の村

【RP】動乱終わりて【1:1】(シラス君と)

「んん……」

秋も終わり、冬が差し迫る頃。
ツリーハウスの窓から差し込む夕陽に目を覚ます。

「……また寝ちゃってたのか……」

あの激しいカムイグラでの決戦を戦い、最低限の事後処理を終えて家に着いたのは数日前のことだったか。
とにかく今は、身体が休息を欲していた。
元々体力に自信がある方ではなかったことに加え、自凝島の脱出行からさして間をおかずに大きな戦いに臨んだ身体はもはや気力だけで動いているような状態だったのだ。
なればこそ、帰り着くやいなや糸が切れたように眠りこけていたのも当然で、一度目覚めてからも寝る以外の行動は最小限だった。

「おなかすいた……」

ベッドから抜け出そうと、ゆっくりと身を起こす。
寝起きと疲労で曖昧な意識のなかでも、何か食べなければという気持ちだけは確かにあったのだ。

(シラス様との1:1のスレッドです。当事者以外の書き込みはご遠慮ください)

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無茶を言ってしまったかと思ったが、シラス君はいそいそとキッチンへ向かっていった。
もう少しわがままを言っても良かったのだろうか、なんて少しよくばりな考えもよぎったりする。

シラス君を待っている間はどうにも手持ち無沙汰で、かといって起き上がって何かする体力もなく。
そうしているとぼんやりと昔のことを思い出す。
あの頃も、こんなふうにお母さんやお父さん、兄さんに面倒を見てもらっていたっけ。

無力な自分はとても嫌いだったけれど、それでも楽しい記憶がないわけじゃない。
話を聞かせてもらったり、逆に私が本の話をしてみたり。
たまに元気なときにはお菓子を作って食べてもらってみたり。

なんて思い出に浸っていると「お待たせ!」という声が響く。
それもまた、なんだか昔を思い出すようで思わず少し笑ってしまう。

お気に入りのスープの香ばしい匂いにつられて目を向けると、要望通りに美味しそうなパンケーキが並べられていた。
お礼を言って、早速食べようと身を起こしたところで「食べさせてあげようか」と問われる。

どうしよう、と少し考えてから。

「……へへ、じゃあお願いしていい?」

身体が弱っているせいだろうか、昔のことを思い出したからだろうか。
今日はとてもわがままを言いたい気分だったから。

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