静謐なる図書館内。

しかし誰かの訪れとともに、一つ、二つと声が湧き上がってくる。

さて、此度の来訪者は？

シルク・ド・マントゥール……なあ。
サーカスなら、小さい頃に一度見に行ったきり、だけど。
……きっと、そういう普通に楽しむアレじゃないんだろうなあ。
……マ。俺達は俺達デ、ローレットの仕事もするしかねーけどナ。
まだまダ、この図書館はガラガラだしヨ。

https://rev1.reversion.jp/scenario/detail/259

とか言ってる間に、本当に来たんだな。
……へェ、あのピエロとカ、団長とカ。見るからに面白そうじゃねぇカ。

……俺達も、せっかくだから見には行きたいけど。はてさて、どう過ごそうか。

（こそっと入り口から顔を覗かせて）
すまん。ここは、邪魔してもいい場所か？
紙の匂いが、珍しくてな。ひかれてしまった

ああ、どうも、いらっしゃい。
大丈夫だ、客は割りといつでも歓迎してる。

生憎、本の数よりも隙間の方ガ、まだまだ多い図書館だがなァ。

おぉ。そうか。誰かの家だったらどうしようかと、少し心配していた。
自己紹介が遅れたな。私は、天津ヶ原 空海。天津とでも呼んでくれ。

ふむ。本はこれから。という訳だ
何が集まってくるのか、楽しみな場所だな

えっと、天津、さん。（軽く会釈を返して）どうも、俺は『大地』。一応、ここの司書。（と、年若い青年が名乗ると）
それト、副司書の『赤羽』ダ。よろしくナー（今度は何かを面白がるかのようにへらりと、同じ口から別の名を名乗る）

まあ、一応、奥の方に『司書室』……って、銘打ってるけど俺の部屋があるから、なまじ、俺の家って言っても間違いじゃない。

本は……俺の趣味にばっか寄るといけないからな。利用客のリクエストも聞きながら集めるけど。
その為にモ、仕事、しっかりしねぇとなァ。

あぁ、よろしく。大地に、赤羽、……か？（首を傾げ
二人、いるのか……？

大地はここに住んでいるんだな。ここに住んでいると、本もあっという間に読み尽くしそうだ。
確かに、趣味で集めると、偏りそうだ……。好みで決めると偏るのは、食事と一緒だな。

私は今ある本がまず気になるが、これから色々。リクエストも増えそうだな
サーカスとか、知らない事が舞い込んでくるばかりだし。
そうだ。私も、もし手伝えることがあれば、力になる。

そう、俺が集めると多分、ファンタジーものなり、ミステリーものなり。
とにかく小説に寄っちゃいそうなんだ。
勿論、それも有っていいんだけど、調べ物をしたいお客さんとかの参考にはあんまならないし。

手伝えること、な。うーん。頼めそうなこと、ちょっと考えてみる。

えっと、まあ……ここに二人いる、のは、そのとおりだな（少し、言いよどんで）
間違いなく俺は大地、何だけど。召喚される前に色々あって、『赤羽』ってヤツが、俺に取り憑いてるんだ。
『マ、悪いやつじゃねーかラ、仲良くしてくれヨ。』
……って、本人は一応、言ってるけど。

大地は、物語が好きなんだな。私も、色々な話を知るのは好きだ。
調べ物には、図鑑とか、か？　そういうのを揃えるのも、楽しそうだが、種類がすごそうだな。　

なるほど。憑き物か。フフ。二人が仲良くやってるなら、悪いやつじゃないのは確かなようだな。
あぁ、改めて、二人ともよろしくな(笑って尻尾を振り

ああ、改めて。よろしくなァ。

そうだな、図鑑は植物図鑑なり、動物図鑑なりも、あると良さそうな。
……俺達もウォーカーの一人だけど、ことに混沌の生態系とかは、俺達の居た所とは違う所も多いだろうし、是非とも集めたいところだ。

絵本とかも、俺の住んでた所と似ている童話も伝わってるかもしれないし。
……いやァ、そう考えるト、先はまだまだ長いナ。

大地達も旅人か。ここは、本当に色々な生き物がいるからな。
図鑑ひとつ取っても、とても、集めるのが大変そうだ。最近は、球状の不思議な生物も着てるらしいな。
そんな生き物だけで、一体、どのくらいの数になるのか。大変そうだが、楽しそうだ。

童話か。旅人が伝えた話も多そうだが、似ている物も多いのか？
先は長そうだが、ここが本で埋まったら、とても賑やかになりそうだな

そう、旅人（こくりと頷いて）そういえば、俺達みたいに、地球から来た旅人も、結構いるらしいな。
天津さんモ、その類だったりするカ？

球状の生物……？マリモとか、そんなのとも違いそうだな。俺も一度、見てみたい気もするが。

俺達も知らない生き物が居るなら、俺達の知らない話だって、いっぱいあるだろうしな。
マ、図書館の中モ、少しずつでも本で賑やかになるのガ、その分楽しみだけどナ。

ちきゅう……あぁ、そういえば、大きな括りでそう呼ぶらしいな
地理は詳しくないが、たしか、国としては日本だったかな……。見かけた人間は大地のような面立ちだったから、同じ場所から来ていそうだな。
異界にきてまで同郷と会えるのは、不思議な気分だ。

空を漂うボーロ、という生き物らしい。全くもって、謎の生き物だな。
そんな不思議な生き物がいるんだ。私も大地達も知らない、不思議な生物の話はいっぱいありそうだ。
賑やかになるといいな。私も、どこかで図鑑を手に入れたら、ここに持ってくるとしようか

同郷、って事は、天津さんも、日本出身、なのか。
そういや、他にも日本から来たっぽい人、ちらほら見たような気もするな。

そういヤ、ローレットになんか、オサシミ漁の手伝いの依頼なんかガあったりしたナ。
ボーロ以外にも、謎の生き物、きっといっぱいいるんだろうな。見るのは……楽しみのほうが大きいか。

そうだな、植物図鑑でも、動物図鑑でも。あるとやっぱり嬉しい。
もちろン、漫画とかだって歓迎だけどナ。

うむ。大地は、日本の生まれか？
ちらほらいるが、同じ日本じゃない、別の日本もいたみたいだな。
混沌に来ると、世界が文字通り広がって見えて面白い

オサシミ……漁？　まだまだ、謎の生物はいたか
友好的な生き物なら、楽しみだな。変な生き物も多そうで、楽しみも多い。
そのためにも、やはり、図鑑はほしいところか。
漫画……私は、見たことがないものだな。混沌にも、あるだろうか

うん、一応、日本人（こくんと頷いてみせる）
そういえば、どうも、別のウォーカーと話した時も、日本人っぽいけど微妙に、話が噛み合わない、というか。
どうも俺の知ってる知識と食い違う事を言ってる人も居た……かも。
いっソ、お互いの出身地の地図でも手に入りゃア、見比べられるんだけどナ（と言いながら、まあ無理か、とばかりにため息を一つ零す）

漫画は俺もまだ、こっちでは見かけたこと、ないんだよな。
その手の作家さんのツテも、別にないし。
……まあ、どんな本でも収蔵できたら、それは嬉しいけど。

同じ日本生まれの、仲間だな。私は、日本生まれでも、人じゃないが……（耳をへたらせて
地図、かぁ。話には聞いたことがあるくらいだな。
覚えている人がいれば、描いてみるのも、面白そうだ。

練達とやらなら、居着いているかもしれないな。
いつか、縁に恵まれたら、見せてもらいたいものだ。

あぁ、そういえば、この間は越境図書館なる異空間の図書館へいく依頼も出ていたな。
そういう、迷宮じみた場所の本も、折があれば持ち帰れるといい、のかな？

人じゃない……？（へたった耳に、視線を移して）あア、日本人というカ、天津サンはこウ、日本狐……って事になるのかネ？（小首をかしげる）

地図な。確かに、描いてもらうのも面白いかもしれない。
多分、ざっくり日本出身の人たちを集めたって、それぞれ日本列島が違う形になるかもしれないな。
越境図書館の案件は、俺も行ってみたかったけど、今回は縁がなかったらしい。……なかったもんはしょうがない。

マ、またその手の関係で、気になる仕事があれバ、俺も行ってみるサ。

日本狐か……！
それは、初めて言われたな（くすくすと楽しそうに

同じ国なのに、別の世界というのは、本当に面白そうだ。
うん。機会があれば並べて違いを探してみたいものだ。

大地は、別の図書館の仕事を引き受けたみたいだな
魔物の本も大変そうだが、頑張れ。

……俺、変な事言ったカ？（くすくす笑う姿に、きょとんと小首をかしげた）

ああ、その件だが、一応、無事に完遂は出来た。完璧、とは言えないまでも、だが。
…できればあそこの本、もう少し読んで行きたかったんだけどなあ。
（心底、名残惜しそうにそう零しながらも、す、と報告書を差し出した）
https://rev1.reversion.jp/scenario/detail/421

いや、気を悪くしたらすまない。
妖狐だの化け狐だの言われてきたからな。日本狐は、いいな。
そういえば、大地は日本人で、赤羽も、同化してるようだから日本人、か？

ありがとう。ふむ……だいぶ頭を使う案件だったみたいな（報告書を受け取り
本を読めなかったのは残念だけど、兄弟が無事で何よりだ。お疲れ様。
次は、大地が解読して、無害な本にできるようになれば、安心できそうだな。
本も、まだまだ、厄介なのから読めない物まで色々ありそうだなぁ。

ああ、なるほど。
……こっちこそ、変なこと、思い出させてしまったかな。（心配そうに、声を潜めた）

ああ、俺は日本生まれ、日本育ちだし。
……そういヤ、俺モ、物心、っつーノ？が付いた時かラ、日本に居た気がするシ。
そもそモ、日本から出た事もないナ、俺達ハ。（頬を掻きながら、ぽつり、思考を漏らす）……うん、そうだったな。

うん、だから、俺達も日本人だな。間違いなイ。（結論を出すと、こくんと小さくうなずいた）

あア、仕事の方モ、無事に終わってよかったゼ。
……読みたかったは読みたかったが、まあ、しょうがないさ。
ウチも今後、本を仕入れる時は、その手の魔本、なんか引き当てないように気をつけないと、な。
客人を危険に晒したらとんでもないし。

大丈夫だよ。気にしなくていい。
今はこうして、同じ日本の生まれとして見てくれる仲間がいるからな（楽しそうに笑って

ふむふむ。ふたりとも、日本生まれの日本育ちか。
じゃあ、ふたりとも私と同じか。国を出て初めての地が異界とは、奇遇なものだ。

魔本は、気をつけないとな。普通に読める本として処理できればいいんだが。難しそうだな
魔本じゃないが、今日参加した仕事で、面白い本の話を聞いたぞ。
『からっぽ旅行記』という、ダンジョンを旅した人の本だそうだ。
今は、なぜかバラバラになって世界中にページが散っているらしいが。機会があれば、その本を集めて修復も、楽しそうだな

そういや、意外にも日本っぽい名前の人とも、ローレットの仕事で一緒になったことがあるな。
直接確かめた訳じゃねぇガ、結構、地元の話で盛り上がれる人も多いかもしれないナ。
俺は、召喚されるまでは、静岡に住んでいたけども。

『からっぽ旅行記』……へぇ。そんなのがあったのカ（赤い目が宝石のように、一瞬きらめく。その言葉を、カリカリと手帳に記す。）
その手の話が無いか、またギルドに通っておかないとだな。

ちらほらと、似たような世界の出身は、見かけるな。
話してみれば、故郷の話で盛り上がりそうだな。機会を、探ってみようか
静岡……か。地名は無知で、どこか分からないな……。私のいたところは、陸奥と呼ばれていたかな？

そうそう。ダンジョンを巡る旅行は、混沌ならでは、だな。
あいにく。私が出向いたダンジョンは、中心となるものを無くしたせいか消えてしまったようだが
ダンジョンにまつわる話が出れば、また、からっぽ旅行記の話も出てきそうだな。いつかは、原本にあってみたいものだ

むつ……陸奥？(彼女の言を反芻し)……えっと、確か、東北の方が、昔そう呼ばれてた、とは聞いたけど。
じゃああれダ、俺達の以前居た場所ハ、駿河、とか言った方が通りが良いかもナ。
(どうだろうか、と言った風に、彼女の様子をうかがう)

他にも、ダンジョンに纏わる話。それに、この世界の英雄譚、なんかもあれば、それも手にしたいもんだな。
……いヤ、やっぱリ、自分の手で書いちまった方が早いかねェ(ムムム、と小さく唸る)

辞書買ったよ、ありがとう！　旅人の辞書かあ。参考になったよ！

……黄金の林檎…難しいけど、最後まで読むね…。