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ギルドスレッド

自由図書館

【1:1RPスレ】被っているのは猫か羊か

「ご利用、ありがとうございましたァ」

去っていく図書館の常連を、柔らかい口調で送り出す。
その姿はどこからどう見ても、自由図書館司書の『赤羽大地』だ。

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いやまあ、そうだな……いつの間にか恋愛話みたくなったな………。

魔力が美味しいとは、師匠に良く言われたな。
僕自身が魔を好む傾向もあって、そうなってしまうのかも。
おっと失礼、そういう話は苦手カ?俺ァこれでも今ハ、一途に生きてるモンでネ。
幾らお前が美味そうに見えた所デ、その気の無いやつに手は出さねぇサ。
……半端な覚悟で手ぇ出しちゃア、その師匠とやらも怖そうだしナ。

……しかしその師匠からも美味いと言われるたァ。……ソイツもある意味、魔物みたいなやつだったりするのカ?
(人様の師を人外と疑う無礼を承知なのだろうか、そう問いかける声は密やかだ)
大丈夫、安心して。赤羽さんが思う通り、人間じゃないから。
マジかヨ……。
(こうもあっさり肯定されては、逆に脱力してしまう)

お前もお前デ、すごいのに会ってるんだナ。
……お前の話から逸れて悪いガ、そいつに師事することになった経緯を聞いていいカ?
師匠との経緯は姉の紹介で。
五歳上の姉が小学生の時に師匠がやっていた喫茶店に連れていってくれたんだ
はァ、随分人間の社会に溶け込んでたんだナ。
それデ……?
それだけ。紹介された時点で姉から、人外の魔術師だとは聞かされていたから。
「下半身事情が悪魔以下の屑だがそれ以外は優秀だから魔術の相談したら」って
……めちゃくちゃはっきり言うじゃねぇカ、お前の姉さン。
……いヤ、端からそう紹介してくれるんならむしろいいのカ?

……俺にゃア、師匠と言える人物は居なかったからナ。弟とずっと二人で修練してたサ。
だかラ、羨ましいというか面白い話ではあるけド……。
どう考えても10歳にする紹介ではないがな
僕としては兄弟がいたのが羨ましいな。
末っ子だし姉しかいなかったから
当時10歳のお前に性癖がヤベー奴を紹介するたァ……ウン……。
(……これ以上はツッコまないでおこう)

……あァ、所謂、魂を分けた双子の弟って奴だヨ。
尤モ、俺もアイツモ、今は全然違う身体
……アイツ……『青刃』に至ってハ、今は女の身体になってるシ。
アイツとは一つのパンを何度も分け合っテ、スラムの泥水もたらふく飲んだシ、クソな客があてがわれた時は互いに慰め合いもしタ。

……俺達兄弟にとっちゃア、魔術はクソな環境から這い上がるための手段だったのサ。
なるほど、ドン底から這い上がって今があると。
すごい経歴だな
あア。こんなクソみてぇな人生認められるカ。もっといい場所に二人で行こウ、そこで人生やり直そウ、というのガ、原動力だった気がするヨ。
尤モ、俺がようやく魔術師たるものになったのハ、俺の最初の身体が死ぬ間際だったんだがナ。
死の間際ニ、俺の魂は身体から抜け出した訳だガ……俺が弟より先に逝っちまっテ、そこからウン百年近く会えなくテ。……その間ニ、色々変わっちまったんだけどナ。
……あん時に比べりゃア、今は幾分もマシかナ。
求めるものがある限り、完全な完成はあり得ないものな。
まして、僕らが人間の心を持つ限りは。
……そうだナ。
多分俺ハ、魔術師である限りずーっと『腹ペコ』なんだろうヨ。欲しいものを求めル。手に入れて食らウ。それでもまダ、満たされず追い求めル。
……例え大地と別れてモ、それは辞めないだろうナ。
僕ら魔術師は欲深いな。
今この瞬間にも、新しい発見があれば食いついて調べる我物にしたがるだらう。

例えばーー……『完全な死者蘇生』とか
……そうだナ。
例えば『完璧な不老不死』。それに一歩でも近付く手段がそれなラ、俺は毒だって煽ってやるサ。
『完璧な不老不死』か……。やはりなってみたいもの?
あァ。俺が魔術に手を出した理由の根本がそこだしナ。
……それにまァ、死ぬことも老いることもなきゃア、この世の色んなモンを楽しみたい放題じゃン?

……お前はどうなんだ京司。何かを犠牲にしてでモ、生き返らせたい人がいるのカ?
なるほど?そのついでに姿も自由自在だと便利そうだ。

ええ、ひとりだけ。
……でも思うんだ、僕がとっとと死んで地獄で会った方が早いんじゃないかと。
そうだなァ。いつまでもこの芋っぽい身体じゃ俺も御免だしナ(と、悪戯っぽく笑って)

……さテ、死んだ人間が何処にいくのかは俺も断言できねぇしナ。
満足してさっさと逝くやつもいれバ、俺みてぇに未練たらたラ、現世に留まる魂もあル。

……そいつも地獄にいるのカ、それとももっと高尚な所にいるのカ。
はたまタ、存外近くにいるかはわからんがなァ。死ねば会えると言われれば正解かもしれないシ、違うのかもしれなイ。
(少なくとも、死ぬな生きろだの言う気はないらしく。曖昧な言葉で濁した)
おや、ひどい。若くて元気な肉体なのに
(僕よりましだぜ、それと軽く笑う)

さあ、どこだろうな。今は監視がついてるもんでね、探せないんだ。
若くて健康なだけじゃ満足しねぇんだヨ、俺ハ。言ったロ、味も見た目も魔力も優れている方が良いト。
……俺好みに味付けしちゃあいるガ。この分だト、モノになるのはいつになるのかねェ(クク、と低く笑った)

……ふーン、品行方正ぽいお前ガ、監視付きねェ。何をしたことやラ。
……まァ、俺も人の事は言えねぇがナ。
育てるのが向いてるんだな。

『すぐ死にたがるから』?
俺の才だけじゃねぇサ。
こいつの名前は『大地』。俺好みに根を張リ、育テ、実らせるには実にいい土壌だったんだヨ。

……あー、死にたがりなのかお前さン。そりゃあお前の師匠か誰か知らんガ、お目付けされる訳ダ。
土壌……うんまあ、大地さんの方も得がありそうだから良いか。

あ、言い忘れてたね。師匠もこの世界にいるかは知らないんだ。
僕、こう見えて異世界人だから
ハハハ、共存共栄。人間の好きな言葉だロ?

……おヤ、ってぇ事ハ、お前も旅人なんだナ。
俺の弟が女の器で呼ばれてたくらいダ、案外、その師匠もお前の知らねぇ姿デ、割とすぐ近くに来てたりしてナ?
(冗談めかして笑った)
さて、どうでしょ。戦争好きもいますよ?(笑い顔)

ええ。この世界に落とされてすぐ拾ってくれたのが今の話のお目付け役です
まあ保護者ですね
(椅子の上に靴を脱いで左足を置き、スラックスを捲る)
ほらこれ。監理のタグです
https://rev1.reversion.jp/illust/illustresult/1?order_id=16306
あァ……これハ……(タグをじっと観察する)
奴隷の足枷のような重量感や拘束はないガ、機能美、もとい必要な仕事はしっかり果たしてそうだナ。
少なくとモ、俺がふざけてちょちょいと何かしたところデ、これは外せねぇだろうヨ。やらないけド。

……どこのどいつかはしらねぇけド、今のお目付け役はそれなり以上に有能なやつかネ。
でも何故かちゃんと靴下履けるんですよね
優れた魔法なので仕組み知りたくなります
一応、自称はおとぎ話の魔法使いとかそんな感じでした。
まあもっぱら『武器商人』呼びが多いみたいですが。
武器商人。武器商人……???
それっテ、銀髪ノ??? 殺しても死ななそうなあノ???
(全く知らない名では無い。むしろこの前もローレットで見たじゃないか)

うワ……ビックリしタ……ソイツ、俺さえもそれなりに知ってるやつだヨ……。
あっちが俺を覚えてるかは知らねぇけどヨ……。
殺しても死ななそうというか、一定条件じゃないと死なない武器商人だよ。
なんだ、知り合い?
あァ、ローレットの仕事で何度か一緒になったヨ。
……この前モ、魔種と戦った時に俺も立ち会ったシ。

なんダ、俺達、共通の知り合いが居たんだなァ。
ですねえ、驚きです。
しかしそうなるとーー意外、ですね?
あなたほど面白い人材が何もされてないとは。
何もされてなイ?(首を傾げる)
……確か二、仕事以上の付き合いをした覚えは無いガ。むしろ何してくるんダ?
……才のある奴を取って食うのカ?
仕事以外での付き合いがないせいかな………?
物理的に食べはしないけれど、こう弄ったりみたいな話は聞くんだよなあ。
弄ル……てぇト、あれカ。魔術師を造るみたいナ。より魔術師に『向いた』身体にする的ナ。

……何もされてねぇのハ、それこそ仕事以外で喋った記憶が無いからカ……俺がそいつの思うほどの人材じゃねぇのカ、どっちかだろうヨ。
ああいヤ、大地のほうが口を利いたかもわからんガ。
たぶん後者。礼装も作れるし、器用なのだらう。
……良いのか悪のかは別で

あー………もしかしたらもしかするかもな
人間の方が好きそうな感じはあるから
あア、商人を名乗るぐらいだシ、お前に足輪を用立てるくらいだシ。特殊なブツを仕立てるには事欠かねぇのかもナ。

まァ、俺よか大地に取引を持ち掛けるなラ、それはそれでいいサ。
……無いとは思うガ、騙されねぇようにだケ、目は光らせとくけド。
………あれ、待てよ。あなたの参考になるかは分からないが。
確か1度、一過性の成長薬みたいのを作ってましたね。
少し不老不死に参考にではと。うん……(自信なさげ)

騙すことはそうそうないですよ。聞かれなきゃ言わない、ってのはあるけれど。
マジカ……(少しばかり、驚きに目を見開いた)
そういうマジックアイテム作りは俺の専門外だガ、だからこそ聞く価値はありそうだナ、不老不死に関係なク。

まア、今度聞けそうな時に聞いてみようかねェ。
……あいつと取引するんなラ、きちんと仔細を確かめた方が良いナ……。
良かった、役に立ちそうで。
僕もちょっと便利なオモチャ程度しか作れないのでああいう凄いのは出来ないんですよね
…………ええ、詳細確認はしっかりしてください。なんなら同席するから
……おウ、最悪お前にも頼むワ。
俺モ……本当に若い頃の事だガ、魔術書の読みこみが浅いせいでポカした事、ちったああるからナ……(どこか遠い目をした)

(時計の鐘がゴーンと鳴る。夕刻を告げる音色だ)
赤羽さん、僕より能力高そうなのに……
(夕刻を告げる音に顔をあげた)
おお、と。もうこんな時間か。魔術の話が面白くて長居してしまったな
閉館かな?
ンな事言ったっテ、あの時は俺も青かったんだよォ。
一応、反省はしているがなァ。

……ン、そうだナ。そろそろ閉館の時間カ。
悪かったナ、長く引き留めテ。
ちょっと人間的で安心しました
…いえ、僕も楽しくて。また噺を聞きに来ても?
そうかイ? 人の皮を被ってお前を食う気かもしれないゾ(わざとらしく、悪い笑みを浮かべた)
あア、お前が暇な時はいつでも来ナ。歓迎するゼ?
それはその時だね
ええ、また。ありがとうございました
(椅子を元通りの位置に戻してから出入口へ)
あァ、まタ。
『大地』の方に会った時ハ、優しくしてやってくれヨ?
(自分も椅子を立ち、見送りの姿勢に移った)
ええ、もちろん。優しい人には優しくしますから!
(手を振りつつ出ていった)
(去っていく京司を見送った後、図書館ドアのプレートを『閉館』へと裏返した)

……大地のやつが起きたラ、京司の事、紹介してやるかネ。

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