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自由図書館
……続けるゾ。
俺が学んだ魔術。反魂の法。
他者から肉体を奪イ、俺の意志のままに四肢を操ル。
つまリ、他人の身体を俺のものにする魔術、という事ダ。
しかシ、それには本来、相手の合意を必要としなイ、というか自我のない身体を奪う事を前提にしていル。
下手に器に魂が欠片でも残っていたラ、抵抗され返り討ちに遭うリスクもあるからダ。
だから俺ハ、人生を終わらせたい奴。既に廃人と化している屑。
そういう人間を選んデ、俺のものにしてきタ。
……だガ、その魔術にも弱点があってナ。
コップからコップに水を移す事を何度も繰り返せバ、自ずと量が減っていくようニ。
俺が死を拒ミ、逃げれば逃げるほド、この魂が削れていク。全盛期の力かラ、遠ざかっていク。
……大地の時ハ、正直、この反魂の法をギリギリ一度、行使できる程度にしカ、この俺に力は残されていなかっタ。
それでモ、俺はまだ消えたくなかっタ。俺もまた、理不尽な死を拒んだ。
互いの『生きたい』、その願いガ、たった一度の奇跡を成就させタ。
……その末ニ、俺達の融合はうまく行ったように見えた、けれド。
……さる老魔術師が、俺達に現実を突きつけてきた。
この俺の身体は、この俺自身と、赤羽。2つの魂を受け止めるように生きていない。
赤羽と共にあるだけでこの身体は蝕まれ、俺達の魂さえも食い合う形になってしまう。
詰まる所。俺達の契約は不完全。失敗とまでは言わねぇが歪。
今のままなら俺モ、俺も。削られ削れてその末路ハ、緩やかな死を迎えるのみダ。
……この赤羽様ガ、よりによってこの平和ボケしたガリ勉クンなんかと共倒れするのハ、真っ平御免ダ。
こいつなんテ、痴話喧嘩の末に女に刺されるカ、分不相応に正義の味方気取っておっ死ぬカ、何事もなくただただジジイになって死ぬカ。
そういう最期がお似合いダ。そんなつまんねぇ温い空気、俺は側で嗅ぎたくもねェ。
だかラ、俺はこいつなんて捨ててやル。
だから、俺は契約によりこの身に縛られた彼を、解放しなくてはならない。
三船大地。この身体は俺には要らなイ。
赤羽。俺は彼に頼らず、生きる術を得なくてはならない。
……そのためのヒントでも見つかりゃあナ、って思っただけサ。
……まあ、辿り着いたとて。如何にその意思を主に伝えるかも、問題の一つになるのだけれど。
俺が学んだ魔術。反魂の法。
他者から肉体を奪イ、俺の意志のままに四肢を操ル。
つまリ、他人の身体を俺のものにする魔術、という事ダ。
しかシ、それには本来、相手の合意を必要としなイ、というか自我のない身体を奪う事を前提にしていル。
下手に器に魂が欠片でも残っていたラ、抵抗され返り討ちに遭うリスクもあるからダ。
だから俺ハ、人生を終わらせたい奴。既に廃人と化している屑。
そういう人間を選んデ、俺のものにしてきタ。
……だガ、その魔術にも弱点があってナ。
コップからコップに水を移す事を何度も繰り返せバ、自ずと量が減っていくようニ。
俺が死を拒ミ、逃げれば逃げるほド、この魂が削れていク。全盛期の力かラ、遠ざかっていク。
……大地の時ハ、正直、この反魂の法をギリギリ一度、行使できる程度にしカ、この俺に力は残されていなかっタ。
それでモ、俺はまだ消えたくなかっタ。俺もまた、理不尽な死を拒んだ。
互いの『生きたい』、その願いガ、たった一度の奇跡を成就させタ。
……その末ニ、俺達の融合はうまく行ったように見えた、けれド。
……さる老魔術師が、俺達に現実を突きつけてきた。
この俺の身体は、この俺自身と、赤羽。2つの魂を受け止めるように生きていない。
赤羽と共にあるだけでこの身体は蝕まれ、俺達の魂さえも食い合う形になってしまう。
詰まる所。俺達の契約は不完全。失敗とまでは言わねぇが歪。
今のままなら俺モ、俺も。削られ削れてその末路ハ、緩やかな死を迎えるのみダ。
……この赤羽様ガ、よりによってこの平和ボケしたガリ勉クンなんかと共倒れするのハ、真っ平御免ダ。
こいつなんテ、痴話喧嘩の末に女に刺されるカ、分不相応に正義の味方気取っておっ死ぬカ、何事もなくただただジジイになって死ぬカ。
そういう最期がお似合いダ。そんなつまんねぇ温い空気、俺は側で嗅ぎたくもねェ。
だかラ、俺はこいつなんて捨ててやル。
だから、俺は契約によりこの身に縛られた彼を、解放しなくてはならない。
三船大地。この身体は俺には要らなイ。
赤羽。俺は彼に頼らず、生きる術を得なくてはならない。
……そのためのヒントでも見つかりゃあナ、って思っただけサ。
……まあ、辿り着いたとて。如何にその意思を主に伝えるかも、問題の一つになるのだけれど。
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ポストに括り付けてあるベルが、配達員の手により鳴らされる。
その音に、自由図書館司書、赤羽・大地は心当たりがあった。
馴染みの書店に、新刊を宅配するように注文していたのだ。
心待ちにしていた一冊。それを大事に胸に抱き、図書館内へと戻ったなら。
……そこに来客があったのだ。