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雪鳥の落し物
(自身も不安だったのだと。雪鳥の娘が語り始めれば、ゆっくりと頷いて言の葉を促した)
(無理もない。他人の自分でさえそう思うのだ)
(当人にしてみれば『自我はどこへ行くのか?』と云う大きな問いを常に抱えていた事になる)
(不安に胸が押し潰されそうになった日もあっただろう)
(けれど彼女は、とても綺麗に笑っているから)
そう。…………よかった。
(影は言の葉を紡ぐことが上手くない)
(故に、少しばかりそっけない返事になってしまったかもしれない)
(慌てて取り繕うように、ちょいちょい、自分の前髪を直したり、手を組んだり、戻したり)
うまく、いえないのだけれど…………、…………あなたが、あなたのままで、わらっているから。
わたしはそれが、……とても、うれしい。
(上手く伝わるだろうか。恐る恐る、陽色の双眸を見上げ)
(ことりと。目前にグラスが置かれれば、ぴんと尖った耳が跳ね)
…………お茶なのに、みどりいろ。
(影の知る”茶”に分類される飲み物は、多くが赤褐色か黄金色だ)
(目の前に置かれた其れは淡い、白みがかった緑色。大凡影の知るものではない)
(どうぞ、と。勧められるまま、恐る恐るストローに口を付け)
………………。
(耳が)
(上がって、下がって、また上がる)
(影はそれきり黙ってしまった。否、正確には、”夢中になっている”のである)
(無理もない。他人の自分でさえそう思うのだ)
(当人にしてみれば『自我はどこへ行くのか?』と云う大きな問いを常に抱えていた事になる)
(不安に胸が押し潰されそうになった日もあっただろう)
(けれど彼女は、とても綺麗に笑っているから)
そう。…………よかった。
(影は言の葉を紡ぐことが上手くない)
(故に、少しばかりそっけない返事になってしまったかもしれない)
(慌てて取り繕うように、ちょいちょい、自分の前髪を直したり、手を組んだり、戻したり)
うまく、いえないのだけれど…………、…………あなたが、あなたのままで、わらっているから。
わたしはそれが、……とても、うれしい。
(上手く伝わるだろうか。恐る恐る、陽色の双眸を見上げ)
(ことりと。目前にグラスが置かれれば、ぴんと尖った耳が跳ね)
…………お茶なのに、みどりいろ。
(影の知る”茶”に分類される飲み物は、多くが赤褐色か黄金色だ)
(目の前に置かれた其れは淡い、白みがかった緑色。大凡影の知るものではない)
(どうぞ、と。勧められるまま、恐る恐るストローに口を付け)
………………。
(耳が)
(上がって、下がって、また上がる)
(影はそれきり黙ってしまった。否、正確には、”夢中になっている”のである)
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とある旅人が故郷のカフェを再現したというお店。
屋根付きの縁側と、渋〜いお茶が人気だとか。
和菓子は勿論、普通にコーヒーやジュースも出てくる。
おやつ時を少し過ぎ、客足が落ち着いてきた頃。
店内の奥のテーブルには、白髪の少女が1人。
そわそわした様子で、誰かを待っているようだ。
* * *
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ノースポールとエーリカ・マルトリッツさんとの1:1スレ。
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気まぐれゆるゆる運行。