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文化保存ギルド

【旅日記】白子の娘の秘宝

このスレッドは、冒険の記録をまとめたものである。
それ以上でも以下でもない。事実と脚色と、ほんの少しの旅情のある記録達――

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 アトの肩に手を置く、先導を任せると小さく呟く。
 意識を集中する、この施設に存在する魔力を。自分のギフトはまだ使えない。インスピレーションを使うタイミングはここではない。
 人形をリードするための魔力の動線がどこかにある。ルートを策定するために使う魔力の動線がどこかにある。
 アトに移動を任せながら、自分は神経を研ぎ澄ます。髪の毛の先まで神経を入れるように、知識を注ぎ込むように。
「■■■ーー? ■■ァ■■フーー」
 口をついて出る言葉は、思考に言葉が追いつかないから生まれるもの。文字一つに複数の派生が付随する意味のない発音。
 集中しろ、集中しろ、集中しろ。ここはどこまで続くーー?
 供物を運ぶ者。
 うやうやしく礼をする人形。その後ろをついていくとしたら、この先に何がある。使者はこのまま引き返して行ったらそれで無事に帰られたのか。
 それではおかしい、使者を生かして返すのなら、伝承が何故断片的だったのか。何故最期まで秘密が守られたのか。
 魔力の動線を追う。やはりおかしい「動線が少なすぎる」
「アトーー通路のチェックお願い。隠し通路があるかもしれない。この人形達、外と同じ魔力の動線の上を歩いてる。ただ、アクティブになってる動線しか感じられない。そしてその通路はーー20mくらい先で一旦途切れている。あるとすれば、この短い通路だけよ、やれる?」
 その顔は、興奮を抑えるように歯噛みして笑っていた。
 

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