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文化保存ギルド

雑多バインダー

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「我々が戻れば――この経験は王国の財産となりましょう。
 キャプテンならば次こそは――」
「――次は無いのだ。絶対に。少なくとも『先』を見つけるまでは『次』等無い」
「……は?」
「付き合わせるクルー諸君には心より謝罪する。しかし『次』は無いのだよ。間違いなく!」
 されど――
「道がなくとも切り拓いた。
 未知等全て捻じ伏せた。答えが無ければ作ればいい。
 求むるは一心不乱の勝利だけ――生憎と吾輩は諦めが悪いものでねぇ!
 酒に宝に女に浪漫。『海賊は何一つ諦められない性分なのだよ!』」
 ――強き意志、嫉妬の情は、よりによってそれを上回るかも知れない強烈な執念にその瞬間だけ膝を屈したのかも知れなかった。
 どんな障害も海賊ドレイクを阻むに到らず。
 彼は海図の導きに従い、遠く遥か遠くを目指し続けた。
 屍を積み上げ、此の世の地獄を呪いじみた妄執だけで突き進み、遂には『果て』をねめつけた。御伽話、与太話を唯一の標と決めつけた――彼が『望み』に出会ったのを唯の奇跡と切り捨てるのは無情が過ぎよう。
「……キャプテン……」
「ああ……」
 やつれた顔の副長が掠れた声でドレイクを呼んだ。
「キャプテン、これが貴方の望んだ――」
「そうだ。運命の女神は、吾輩達に微笑んだぞ!」
 艦がいよいよ限界を迎えんとした時――恐らくこれは奇跡的な偶然で――辿り着いた小島の中央には黄金の木が聳えていた。
 黄金の木に実るのは同じく美しく輝くたった一つの果実である。『碌なモノが見れなかった』この海で初めて一同が目にする素晴らしい結果、希望の結実そのものであった。
「まさか本当に見つかるなんて――」
「君には苦労をかけたな」
 苦笑した副長が力無く首を振った。
 全滅寸前となった時、彼はドレイクに詰め寄った。
 この冒険は何の為に行われているのかと。何故次が無いのかと――
 ドレイクは多くを語らなかったが、『絶望の海図』を一読した副長はそれ以上何も言わなかった。
「後はあの果実を……しかし」
 海図の御伽噺が真実であるとすると仮定するならば問題はもう一つあった。

 ――黄金の実、生命をもぐ不遜に枯死の呪いあれ――

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