ギルドスレッド
スレッドの一部のみを抽出して表示しています。
文化保存ギルド
【第三章 第四節】
『参加者:フォルトゥナリア・ヴェルーリア(p3p009512)』
朝『黄色い雄牛亭』の窓際で朝日と少しずつ増える人通りを眺めながら、フォルトゥナリアは考えていた。
店主はまだ寝ているそうで、仕込みついでだと娘さんが出してくれた分厚い黒パンとたっぷりのバターで焼いたベーコンエッグに感謝して口をつける。それでも考えるのは止まらない。
(だったら私と一緒にいるのはどう。私の困り事はいつだってなくならないわよ)
あの言葉についてだ。
永遠なんてない、それをイーリンは否定した。きっと人として一緒に居られるのは、長くて半世紀くらいだろう。
その間に、叶えたい夢が見つかったら一緒に手伝いたい。もしその後があったのなら、その時一緒に決めよう。
だから、一緒に行きたい。
それは、フォルトゥナリアにとっての希望(ホープ)でもあった。
具体性が何一つ無くたっていい。一緒に、行けるところまで。それがフォルトゥナリアの出した答えだった。
では、更に何を考えるのか。答えは容易である。
今日が最後の日なのだから、まずはキキモラ、ブレイブ、ネームレスの三人にしっかりと挨拶をしなくてはならない。それ以外にもし少しでも心残りがあるなら聞いておきたいし、イーリンに伝えておきたい。
それだけではない、全員が何かしら思い出を作りたいと考えているのだから、なんだかんだこの最終日もかなり忙しいことになるだろう。イーリンのことだから一つ二つ内容がすっぽ抜ける事が想像できる。誰かがサポートせねば。
ナイフとフォークで切り分けた黒パンに、卵の黄身とバターを塗って一口。これは大仕事になるかもと胸が高鳴る。その高鳴りと一緒に、胸の中ではいくつも祈りが木霊する。勇者パーティ一行に向けたものだけではない。この旅に来てくれたみんな、騎兵隊のみんな、幸せで居てほしいと祈りたい相手がいっぱいいる。
こんなに自分は欲張りだっただろうかと不思議に思うほどに、腹にするするとおさまる朝食と一緒にいくつもの願いが去来する。
それが、自分の告白への答えなのか、フォルトゥナリアは知らない。
これが、自分の旅路の成長なのか、フォルトゥナリアは知らない。
恐怖に負けず、狂気に堕ちず、皆を助けられる存在でありたいと願い続けた彼女もまた。肩の荷を一つ分け合えたのかもしれない。重さに背骨が曲がり、胃が潰れるほど背負っていたものを。
あ、と一つ気づく。
イーリンは自分が竜混じりの姿になった時「まともな状態」で接しては居なかった。願望器になる、ギリギリの中で自分を見てくれていた。帰ったらあの姿も一度見てもらおう。これから長い付き合いになるのだから、知っておいてほしいことはたくさんある。
勇者には幸せで居てほしいという言葉は、この後フォルトゥナリアにも返ってくることになる。
それを知らずに、フォルトゥナリアは追加でスープと焼海老を頼んだ。
今日「も」きっと、忙しくなる。
『成否:成功』
『参加者:フォルトゥナリア・ヴェルーリア(p3p009512)』
朝『黄色い雄牛亭』の窓際で朝日と少しずつ増える人通りを眺めながら、フォルトゥナリアは考えていた。
店主はまだ寝ているそうで、仕込みついでだと娘さんが出してくれた分厚い黒パンとたっぷりのバターで焼いたベーコンエッグに感謝して口をつける。それでも考えるのは止まらない。
(だったら私と一緒にいるのはどう。私の困り事はいつだってなくならないわよ)
あの言葉についてだ。
永遠なんてない、それをイーリンは否定した。きっと人として一緒に居られるのは、長くて半世紀くらいだろう。
その間に、叶えたい夢が見つかったら一緒に手伝いたい。もしその後があったのなら、その時一緒に決めよう。
だから、一緒に行きたい。
それは、フォルトゥナリアにとっての希望(ホープ)でもあった。
具体性が何一つ無くたっていい。一緒に、行けるところまで。それがフォルトゥナリアの出した答えだった。
では、更に何を考えるのか。答えは容易である。
今日が最後の日なのだから、まずはキキモラ、ブレイブ、ネームレスの三人にしっかりと挨拶をしなくてはならない。それ以外にもし少しでも心残りがあるなら聞いておきたいし、イーリンに伝えておきたい。
それだけではない、全員が何かしら思い出を作りたいと考えているのだから、なんだかんだこの最終日もかなり忙しいことになるだろう。イーリンのことだから一つ二つ内容がすっぽ抜ける事が想像できる。誰かがサポートせねば。
ナイフとフォークで切り分けた黒パンに、卵の黄身とバターを塗って一口。これは大仕事になるかもと胸が高鳴る。その高鳴りと一緒に、胸の中ではいくつも祈りが木霊する。勇者パーティ一行に向けたものだけではない。この旅に来てくれたみんな、騎兵隊のみんな、幸せで居てほしいと祈りたい相手がいっぱいいる。
こんなに自分は欲張りだっただろうかと不思議に思うほどに、腹にするするとおさまる朝食と一緒にいくつもの願いが去来する。
それが、自分の告白への答えなのか、フォルトゥナリアは知らない。
これが、自分の旅路の成長なのか、フォルトゥナリアは知らない。
恐怖に負けず、狂気に堕ちず、皆を助けられる存在でありたいと願い続けた彼女もまた。肩の荷を一つ分け合えたのかもしれない。重さに背骨が曲がり、胃が潰れるほど背負っていたものを。
あ、と一つ気づく。
イーリンは自分が竜混じりの姿になった時「まともな状態」で接しては居なかった。願望器になる、ギリギリの中で自分を見てくれていた。帰ったらあの姿も一度見てもらおう。これから長い付き合いになるのだから、知っておいてほしいことはたくさんある。
勇者には幸せで居てほしいという言葉は、この後フォルトゥナリアにも返ってくることになる。
それを知らずに、フォルトゥナリアは追加でスープと焼海老を頼んだ。
今日「も」きっと、忙しくなる。
『成否:成功』
キャラクターを選択してください。
- « first
- ‹ prev
- 1
- next ›
- last »
【偽シナ】彼女に最後に残るもの
の公開にのみ使用します。
書き込みはご遠慮ください。