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文化保存ギルド
「みんな、歌を聞いてくれてありがとう」
『あぁあああああああ』
「それじゃあ最後に、ファンの皆に感謝の気持を込めて」
『来るぞ野郎どもぉおおおお』
「飲み比べ会をっ、したいとっ、思いますっ」
『わあぁああああああああああ』
「勝った人のために私、一曲歌うからっ」
『いやぁああああああああ』
投げ銭の雨の中、歌を終えたレイリーの前にタルが置かれ、肝臓ウォーリアーが次々とその前に並ぶ。ルールはシンプル、アルコールの飲み比べで勝ったらアンコールに応える。勝てば積み上がった酒代を全てゲットし、アンコール権を手に入れる。負けたウォーリアーは去る。挑戦のためには積み上がった賭けた金以上の額を一度に出す必要があり、それ以上の額を払えなくなったらレイリーの勝ちである。
見る見る間に金貨とジョッキが積み上がり、うわばみ、ザルの敗北者は宿屋の外に放り出される。無情。
「いやしかし、アイドル家業で路銀を稼いで、そのあと酒代を荒稼ぎってあれすごいよね」
「ハイハイハイハイ」
「いや手拍子するんかーい」
フォルトゥナリアのノリノリっぷりにたまらずメリッカがまたツッコミを入れる。
「あはは、だって」
「なんだい」
だって、とフォルトゥナリアがフォルトゥナリアが心中で独り呟く。イーリンに、この先どうするつもりなんてちょっと聞いてみて。自分は困ってる人を助ける旅をして、それでちょっとでも喜ばれればそれでいいし、迷ったりしないから相談相手にならないか、と言ったら。
(だったら私と一緒にいるのはどう。私の困り事はいつだってなくならないわよ)
なんて言うものだから。選ぶ重さを背負いたいなんて思っていたけど、そこで伝えたら絶対に大変なことになっていたから。
「フォルトゥナリア」
「ん、な、何かなメリッカさん」
「イーリンに悪戯されたら相談していいからね。僕がキツく言っておくから」
真顔のメリッカに思わず噴き出しそうになるフォルトゥナリア。
「ちが、違う。私はね、笑顔で楽しければそれでいいし。それを守るために努力するならいくらでも力を尽くすよって話をしたって話をイーリンさんとしたってこと」
「うん、わかるよ。イーリンは何かにつけて心の隙間に入り込もうとするからね。この前も僕はねいなを押し倒してるところを見ちゃって」
「あ、あはは。ちょっとごめん。飲みすぎちゃった。部屋に戻るね」
「何かあったら絶対に言うんだよ」
「ふ。ご心配おかけしました」
顔を赤くしながらフォルトゥナリアは部屋に戻っていった。
その頃、積み上がった金貨五十枚をベットできるウォーリアーがおらず、レイリーが高らかに勝利宣言の歌を歌っていた。
そうして喧騒は嵐のように過ぎ、王都といえど夜中はさすがに静か。
(これからの話、か)
メリッカがワインの瓶を片手に宿を歩けば、廊下の突き当りの窓際で、イーリンとレイリーが酒盛りをしていた。メリッカの姿を見れば、二人はすぐに手招きをする。
「ライブ、すごかったわね」
「刺激が強すぎて今後の人生に困りそうなんじゃないかってくらい盛り上がっていたねぇ。それじゃ失礼」
メリッカが座り、ワインの栓を開ける。
今日何度目かの乾杯を三人でする。
『あぁあああああああ』
「それじゃあ最後に、ファンの皆に感謝の気持を込めて」
『来るぞ野郎どもぉおおおお』
「飲み比べ会をっ、したいとっ、思いますっ」
『わあぁああああああああああ』
「勝った人のために私、一曲歌うからっ」
『いやぁああああああああ』
投げ銭の雨の中、歌を終えたレイリーの前にタルが置かれ、肝臓ウォーリアーが次々とその前に並ぶ。ルールはシンプル、アルコールの飲み比べで勝ったらアンコールに応える。勝てば積み上がった酒代を全てゲットし、アンコール権を手に入れる。負けたウォーリアーは去る。挑戦のためには積み上がった賭けた金以上の額を一度に出す必要があり、それ以上の額を払えなくなったらレイリーの勝ちである。
見る見る間に金貨とジョッキが積み上がり、うわばみ、ザルの敗北者は宿屋の外に放り出される。無情。
「いやしかし、アイドル家業で路銀を稼いで、そのあと酒代を荒稼ぎってあれすごいよね」
「ハイハイハイハイ」
「いや手拍子するんかーい」
フォルトゥナリアのノリノリっぷりにたまらずメリッカがまたツッコミを入れる。
「あはは、だって」
「なんだい」
だって、とフォルトゥナリアがフォルトゥナリアが心中で独り呟く。イーリンに、この先どうするつもりなんてちょっと聞いてみて。自分は困ってる人を助ける旅をして、それでちょっとでも喜ばれればそれでいいし、迷ったりしないから相談相手にならないか、と言ったら。
(だったら私と一緒にいるのはどう。私の困り事はいつだってなくならないわよ)
なんて言うものだから。選ぶ重さを背負いたいなんて思っていたけど、そこで伝えたら絶対に大変なことになっていたから。
「フォルトゥナリア」
「ん、な、何かなメリッカさん」
「イーリンに悪戯されたら相談していいからね。僕がキツく言っておくから」
真顔のメリッカに思わず噴き出しそうになるフォルトゥナリア。
「ちが、違う。私はね、笑顔で楽しければそれでいいし。それを守るために努力するならいくらでも力を尽くすよって話をしたって話をイーリンさんとしたってこと」
「うん、わかるよ。イーリンは何かにつけて心の隙間に入り込もうとするからね。この前も僕はねいなを押し倒してるところを見ちゃって」
「あ、あはは。ちょっとごめん。飲みすぎちゃった。部屋に戻るね」
「何かあったら絶対に言うんだよ」
「ふ。ご心配おかけしました」
顔を赤くしながらフォルトゥナリアは部屋に戻っていった。
その頃、積み上がった金貨五十枚をベットできるウォーリアーがおらず、レイリーが高らかに勝利宣言の歌を歌っていた。
そうして喧騒は嵐のように過ぎ、王都といえど夜中はさすがに静か。
(これからの話、か)
メリッカがワインの瓶を片手に宿を歩けば、廊下の突き当りの窓際で、イーリンとレイリーが酒盛りをしていた。メリッカの姿を見れば、二人はすぐに手招きをする。
「ライブ、すごかったわね」
「刺激が強すぎて今後の人生に困りそうなんじゃないかってくらい盛り上がっていたねぇ。それじゃ失礼」
メリッカが座り、ワインの栓を開ける。
今日何度目かの乾杯を三人でする。
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【偽シナ】彼女に最後に残るもの
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