PandoraPartyProject

ギルドスレッド

スレッドの一部のみを抽出して表示しています。

文化保存ギルド

【偽シナ】彼女に最後に残るもの【リプレイ】

このスレッドは
【偽シナ】彼女に最後に残るもの
の公開にのみ使用します。

書き込みはご遠慮ください。

→詳細検索
キーワード
キャラクターID
【第二章 第八節】

『参加者:レイリー=シュタイン(p3p007270)メリッカ・ヘクセス(p3p006565)フォルトゥナリナ・ヴェルーリア(p3p009512)』

「ヴァイス☆ドラッヘ只今参上!」
 一行がとった宿『黄色い雄牛亭』は尋常ではない盛り上がりを見せていた。
 この旅路の路銀を稼ぐべくレイリーが行ったアイドル活動を、耳ざとい商人によって一足先に王都にもたらしていた。ライブショーをするとレイリーが宣言したらぎっちりと人が詰まって、テーブルは片付けられて立ち見客が出るほどである。
「私の歌で」
『イェエエエエーイ』
「皆を酔わせてあげる」
『酔わせてくれぇえええ』
「良い夢見ていってね」
『うわぁあああああああ』
 地鳴りのようなむさ苦しいコール&レスポンス(男女比4:1)があがる。光を操る魔法はあれど、ステージ衣装が踊り子とは違いライトを照らし返し、さらなる華やかさを見せるとなればほとんど目にかかることはない。アイドルとなれば尚更だ。
 騎兵隊の先陣を切り続けた純白の、力強くそして美しい歌声とダンスは宿の外にまで見物客が寄ってくるほどだった。
「いやあ、すごい盛り上がりだね」
「Fooo」
「いやそっちもノリノリかーい」
 メリッカがカウンターでしみじみ頷いているところにフォルトゥナリアが隣で歓声をあげていた。誰が呼んだか23S、この二人は意外なことに同い年である。
「あはは、ごめんなさい。毎日ライブを見てるとこう、つい盛り上がりのタイミングを理解しちゃって。ここだって吠えたくなっちゃって」
「いやわかるよ、あれは眼福だしね」
 名物料理を三つ四つ頼んだフォルトゥナリアに、グラスを忘れているよと差し出してメリッカが乾杯する。それに口をつけて、メリッカは思い出す。
「そういえば、イーリンと会った時は私は未成年だったなぁ。こうして酒を飲むことができるようになるだけで、年月を感じちゃうよ」
「ああ、私も召喚された時はギリギリ未成年だったかな。たしか十九くらいだった気がする」
「それじゃあちょっと我慢するだけで良かったじゃないか。私なんか眼の前でイーリンに酒の良さを語られたりしてそりゃあなんとなく悔しさを感じたりしたよ」
 イーリンには振り回されてばかりだったなぁとメリッカが笑えば、フォルトゥナリアもつられて笑う。
「イーリンさん、結構意地悪が好きだからね。でも私にはあんまりそういうところは見せてれくれなかったなぁ」
「あ、それ気をつけたほうが良いよ。誠実なところを見せつけて、最後に断りにくい要求をしてくるのがイーリンの常套手段だから」
「え、そうなの。怖いなぁ、この世界で平和をイーリンさんに祈ってたんだけど。間違いだったかもしれない」
「こわいこわい」
 フォルトゥナリアとメリッカはくすくす笑いながら、一緒に運ばれたステーキを切り分けて食べる。肉のサシは薄いがしっかり調理された肉汁あふれる一枚は美味。メリッカもこの旅の間はずっとチートデイ。いい旅夢気分である。

キャラクターを選択してください。


PAGETOPPAGEBOTTOM