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【偽シナ】彼女に最後に残るもの【リプレイ】

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【偽シナ】彼女に最後に残るもの
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【第二章 第四節】
『参加者:志屍 志(p3p000416)』

「ええ、ということでイーリンさんは皆さんの前から姿を消した僅かな時間に。神々に召し抱えられた上で異世界で六年あまりを戦い抜き、そうしてこの世界に戻ってきたわけです」
 カンソンの村は村民という村民が真っ昼間だというのにどんちゃん騒ぎをして、ありったけのタルを持ってきて井戸からワインを汲み上げている。どうやら昼間に突然井戸水がワインになったらしい。
「ふえぇ、イーリンちゃんすごい頑張ったんだね。うっう、よかったぁ。今ここにいる皆さんもそれぞれ大変なのに、いい人ばっかりで」
 キキモラが感涙する中で、志は背中をさすってあげながら微笑んだ。
 カンソンではそれからパン屋の釜が突然開いたと思ったらふっかふかの白パンとかクロワッサン、あとピザなんかが溢れ出て、神の恵みだとか騒いでいる。
「ええ、ええ。ですので我々は神の使徒とかそういうのではなく。キキモラさんが困ったことを放置できないように、イーリンさんを放っておけなかったからきっと呼び出されたのです」
 志は道中、新旧イーリンの仲間たちの話の潤滑油になるように合間合間に解説を入れたり、一人でいる勇者パーティの面々に声をかけていた。
 カンソンでは干し肉を作る小屋の肉が全部クソデカ生ハムの原木に変化しており。もはや酒池肉林の状態で、そこら中で神への感謝とダンスが行われている。
「ところで、謝肉祭とはいつもこんな感じなのですか」
「あ、多分違います。年の末に神様への感謝の行脚が一週間続きますけど、それ以外はあんまり」
「あ、そうなんですね」
 そういえばさっきイーリンが馬車でしきりに手をにぎにぎしたり何か祈ったりしていたなぁ、と志は宿屋の二階、女部屋の窓から村の喧騒を眺めていた。

(民衆にむやみに奇跡をばら撒いたりしないよう影に潜んで見守っていましょう)

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