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文化保存ギルド
【第一章 第七節】
『参加者:エクスマリア=カリブルヌス(p3p000787)結城 ねいな(p3p011471)』
王都に近い少し賑やかな町。その通りがにわかに悲鳴に包まれた。
「ねいなと言ったか、どこかで会ったことがあったか」
「ああ。そのセリフも聞き飽きた。覚えもねぇメンヘラデブに似てるらしい。名誉毀損も甚だしいな」
引き金一発で正規兵が吹っ飛ぶ。夜明けを引き裂く弾丸の音は衛兵から正規兵、更にはアサシンの耳目を集めるには十分だった。
やれ見たことがない武器だの、音の出るクロスボウだの。必死に分析を試みているが。
「やめておいたほうが良い、それは盟友のお気に入りだ。本人の前で言うと引っ叩かれる、ぞ」
エクスマリアが本気を出すまでもない。少し爪先で公演でもするように魔力を弾けば、兵士達が混乱して悲鳴を上げる。
「そりゃあ本人の前では言わねぇよ。それに資料を漁った感じ、あの混沌世界一の戦争屋なんだろう。戦争が起きれば出てくる、野火を飲み込む豪雨のような女。それで地面が潤って荒れれば、そこに踏み込むのが人間の本能。豊かさを生み出す戦火そのものってわけだ」
「思想が強いな」
「思想家なもんで。それに北方には一時共産主義が広がりそうになったんだろう。こりゃあシノギの匂いがするぜ」
カラカラとねいなが笑い。マガジンを交換する。エクスマリアの髪が波打つ
「気をつけた方が良い、我が盟友は引っ叩くのも早ければ、その手で撫でてくるのも早い」
「DVじゃん。こわ。あんたもやられたのか」
ふん、とエクスマリアは余裕のため息を付いた。
「そう思うなら、試してもらえば良い。思想の一つも変わる、だろう」
「こわ」
い、と言う前にねいなの目が目当ての人間を見つけた。露骨なカソック姿は聖職者だ。
情報を集めに行くと宣言するよりも早く、エクスマリアは更に魔術を展開した。聖職者の周囲の護衛が一息に魔術の縄に窒息させられる。
聖職者の肋骨めがけて膝蹴りを繰り出したねいなが、そのまま地面に押し倒して馬乗りになる。
「ヘイ先生。宗教について教えてほしい」
「げぼ、ごぼ」
「きったねぇな。おい、こんなメルヘンなご時世なんだ。神様に会う方法くらいあるだろ。教えろよ」
神、その言葉に反応したのはエクスマリアだった。神話殺しの一族としては、下手を打てばこの世界で神殺しを為すことになる。会う方法は気になるが。
「ない、ない。そんなものは。神降ろしの秘技が最高司祭になれば使えるが。それはただ神の代弁者になるだけ。神そのものに会う方法なんて」
「ちっ、じゃあ願うしかねぇってことじゃねぇか」
げんこつで頭を引っ叩かれて、聖職者は気絶した。
「神と面会して、どうするつもりだ。友の故郷を、マリアはあまり傷つけたくないが」
そう、憤りも悲しみも全て飲みこんでイーリンは選んだ。それに対して憤慨する権利は、あの勇者パーティにこそ最もある。
「知らねぇ。ただ、輸出したいね。チョロチョロナイフを振りかざして戦争を避ける倫理観が中途半端なこの御世に。戦争の概念を」
「ふむ」
エクスマリアの髪が少しうねる。
「嘘だな」
「ああ」
ドスのきいた声をねいなが上げる。周囲を囲まれるのも気にせずにエクスマリアにつかつかと歩む。
「何が嘘だ、あたしは戦争がしたいんだ」
「それをやるからさっき盟友を助けるという話をしたのだろう。目先の利益で最終的な損得を間違えるのは、石器時代の戦争、だぞ」
その言葉に目を丸くしたねいなは、今度は笑った。
「違いない。あんたの言う通りだ盟友さん」
「エクスマリアだ、マリアでいい」
「あいよ、マリア」
短い握手、包囲がどんどん増え、厚くなる。
「では」
マリアが握手していた手を、高々と掲げる。それは正しく殺すための魔力が練り上げられていく。
「慈悲はない。宝剣の在処を知らぬ者は去れ。さもなくばここで死ぬ」
黄金の魔力の本流は、剣戟の嵐となって辺りを薙ぎ払った。
『成否:成功』
『参加者:エクスマリア=カリブルヌス(p3p000787)結城 ねいな(p3p011471)』
王都に近い少し賑やかな町。その通りがにわかに悲鳴に包まれた。
「ねいなと言ったか、どこかで会ったことがあったか」
「ああ。そのセリフも聞き飽きた。覚えもねぇメンヘラデブに似てるらしい。名誉毀損も甚だしいな」
引き金一発で正規兵が吹っ飛ぶ。夜明けを引き裂く弾丸の音は衛兵から正規兵、更にはアサシンの耳目を集めるには十分だった。
やれ見たことがない武器だの、音の出るクロスボウだの。必死に分析を試みているが。
「やめておいたほうが良い、それは盟友のお気に入りだ。本人の前で言うと引っ叩かれる、ぞ」
エクスマリアが本気を出すまでもない。少し爪先で公演でもするように魔力を弾けば、兵士達が混乱して悲鳴を上げる。
「そりゃあ本人の前では言わねぇよ。それに資料を漁った感じ、あの混沌世界一の戦争屋なんだろう。戦争が起きれば出てくる、野火を飲み込む豪雨のような女。それで地面が潤って荒れれば、そこに踏み込むのが人間の本能。豊かさを生み出す戦火そのものってわけだ」
「思想が強いな」
「思想家なもんで。それに北方には一時共産主義が広がりそうになったんだろう。こりゃあシノギの匂いがするぜ」
カラカラとねいなが笑い。マガジンを交換する。エクスマリアの髪が波打つ
「気をつけた方が良い、我が盟友は引っ叩くのも早ければ、その手で撫でてくるのも早い」
「DVじゃん。こわ。あんたもやられたのか」
ふん、とエクスマリアは余裕のため息を付いた。
「そう思うなら、試してもらえば良い。思想の一つも変わる、だろう」
「こわ」
い、と言う前にねいなの目が目当ての人間を見つけた。露骨なカソック姿は聖職者だ。
情報を集めに行くと宣言するよりも早く、エクスマリアは更に魔術を展開した。聖職者の周囲の護衛が一息に魔術の縄に窒息させられる。
聖職者の肋骨めがけて膝蹴りを繰り出したねいなが、そのまま地面に押し倒して馬乗りになる。
「ヘイ先生。宗教について教えてほしい」
「げぼ、ごぼ」
「きったねぇな。おい、こんなメルヘンなご時世なんだ。神様に会う方法くらいあるだろ。教えろよ」
神、その言葉に反応したのはエクスマリアだった。神話殺しの一族としては、下手を打てばこの世界で神殺しを為すことになる。会う方法は気になるが。
「ない、ない。そんなものは。神降ろしの秘技が最高司祭になれば使えるが。それはただ神の代弁者になるだけ。神そのものに会う方法なんて」
「ちっ、じゃあ願うしかねぇってことじゃねぇか」
げんこつで頭を引っ叩かれて、聖職者は気絶した。
「神と面会して、どうするつもりだ。友の故郷を、マリアはあまり傷つけたくないが」
そう、憤りも悲しみも全て飲みこんでイーリンは選んだ。それに対して憤慨する権利は、あの勇者パーティにこそ最もある。
「知らねぇ。ただ、輸出したいね。チョロチョロナイフを振りかざして戦争を避ける倫理観が中途半端なこの御世に。戦争の概念を」
「ふむ」
エクスマリアの髪が少しうねる。
「嘘だな」
「ああ」
ドスのきいた声をねいなが上げる。周囲を囲まれるのも気にせずにエクスマリアにつかつかと歩む。
「何が嘘だ、あたしは戦争がしたいんだ」
「それをやるからさっき盟友を助けるという話をしたのだろう。目先の利益で最終的な損得を間違えるのは、石器時代の戦争、だぞ」
その言葉に目を丸くしたねいなは、今度は笑った。
「違いない。あんたの言う通りだ盟友さん」
「エクスマリアだ、マリアでいい」
「あいよ、マリア」
短い握手、包囲がどんどん増え、厚くなる。
「では」
マリアが握手していた手を、高々と掲げる。それは正しく殺すための魔力が練り上げられていく。
「慈悲はない。宝剣の在処を知らぬ者は去れ。さもなくばここで死ぬ」
黄金の魔力の本流は、剣戟の嵐となって辺りを薙ぎ払った。
『成否:成功』
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【偽シナ】彼女に最後に残るもの
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