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文化保存ギルド
【第一章 第四節】
『参加者:フォルトゥナリア・ヴェルーリア (p3p009512)』
時は少し遡る。
「勇者パーティーの皆さん、こんばんは。怪しい猫の姿で申し訳ないけれど、宝剣を取り戻す為に協力して欲しい」
宝剣があるだろう町の中、安全確保の連絡の後、フォルトゥナリアは勇者パーティの面々と話をしていた。
金髪で品の良い雰囲気の彼女は目立つので、適当なマントを夜中でもやっていた露店で買って被っていた。
「私はフォルトゥナリア・ヴェルーリア。私の目的は貴方達の元に宝剣を取り戻し、そのまま光の国へ帰還していただくこと。それがイーリン・ジョーンズを助ける事にも繋がると」
「助けるだと」
会話に割り込んできたのはネームレスだった。
「お前たちはイーリンが呼んだ助けではないのか。その言い方、イーリンが未だ危機にあると含んでいるようだが」
聡い、フォルトゥナリアが唇を少し湿らせる。
僅かな逡巡。今はとにかく彼らの安全を確保しなくてはならない。しかし、信用を失うことはできない。
「……イーリンさんが危機にあるのは事実です。しかし、その対価として今一度助けとして私達が来た。それで納得は頂けませんか」
「あいつは、また私達に黙って何かやらかした、ということか」
「やらかしたというか、最初から腹をくくっていたというか。誰も悲しませないために、自分の内になにかおさめ続ける。あの小さな身体に。覚え、ありませんか」
勇者だから、希望に乗ってくれる。それは勝手に勇者と呼ばれる立場であっても。困難に勇気を持って挑むことができるならば。
「キキモラ、ブレイブ。どうやら本当に町にいるらしい。この猫から僅かだが町の音が聞こえる」
声をかけたときに乗る、ファミリア経由のわずかな音漏れを拾った。超聴力か、それ以上か。いやこの状況において交渉と見せかけて真偽の判別に重点を置いていた。
助かった、フォルトゥナリアは胸を撫で下ろす。
「では、協力をお願いしても」
「こちらに要塞とバリスタの群れのようなのを送りつけておいてよく言う。せいぜいVIP待遇で頼む」
「ありがとうございます」
一度、大きく息を吸う。
「宝剣の見た目、奪った相手の外見、どんな些細な情報でも構いませんので教えて下さい。そこから、拾ってみせます。必ず」
その言葉とともに、広域俯瞰、結界術を始めとした魔術を一気に展開する。
暗殺者はわずかな気配を逃さない。それならば、こちらも一瞬で済ませる。
そして一撃で終わらせ得る手札を切る。
――しかし、本当に。変わってないんですね。司書さん。
6年も離れてた仲間と、同じ見解を持たれるなんて。
少し、頬が綻んだ。
『成否:成功』
『参加者:フォルトゥナリア・ヴェルーリア (p3p009512)』
時は少し遡る。
「勇者パーティーの皆さん、こんばんは。怪しい猫の姿で申し訳ないけれど、宝剣を取り戻す為に協力して欲しい」
宝剣があるだろう町の中、安全確保の連絡の後、フォルトゥナリアは勇者パーティの面々と話をしていた。
金髪で品の良い雰囲気の彼女は目立つので、適当なマントを夜中でもやっていた露店で買って被っていた。
「私はフォルトゥナリア・ヴェルーリア。私の目的は貴方達の元に宝剣を取り戻し、そのまま光の国へ帰還していただくこと。それがイーリン・ジョーンズを助ける事にも繋がると」
「助けるだと」
会話に割り込んできたのはネームレスだった。
「お前たちはイーリンが呼んだ助けではないのか。その言い方、イーリンが未だ危機にあると含んでいるようだが」
聡い、フォルトゥナリアが唇を少し湿らせる。
僅かな逡巡。今はとにかく彼らの安全を確保しなくてはならない。しかし、信用を失うことはできない。
「……イーリンさんが危機にあるのは事実です。しかし、その対価として今一度助けとして私達が来た。それで納得は頂けませんか」
「あいつは、また私達に黙って何かやらかした、ということか」
「やらかしたというか、最初から腹をくくっていたというか。誰も悲しませないために、自分の内になにかおさめ続ける。あの小さな身体に。覚え、ありませんか」
勇者だから、希望に乗ってくれる。それは勝手に勇者と呼ばれる立場であっても。困難に勇気を持って挑むことができるならば。
「キキモラ、ブレイブ。どうやら本当に町にいるらしい。この猫から僅かだが町の音が聞こえる」
声をかけたときに乗る、ファミリア経由のわずかな音漏れを拾った。超聴力か、それ以上か。いやこの状況において交渉と見せかけて真偽の判別に重点を置いていた。
助かった、フォルトゥナリアは胸を撫で下ろす。
「では、協力をお願いしても」
「こちらに要塞とバリスタの群れのようなのを送りつけておいてよく言う。せいぜいVIP待遇で頼む」
「ありがとうございます」
一度、大きく息を吸う。
「宝剣の見た目、奪った相手の外見、どんな些細な情報でも構いませんので教えて下さい。そこから、拾ってみせます。必ず」
その言葉とともに、広域俯瞰、結界術を始めとした魔術を一気に展開する。
暗殺者はわずかな気配を逃さない。それならば、こちらも一瞬で済ませる。
そして一撃で終わらせ得る手札を切る。
――しかし、本当に。変わってないんですね。司書さん。
6年も離れてた仲間と、同じ見解を持たれるなんて。
少し、頬が綻んだ。
『成否:成功』
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【偽シナ】彼女に最後に残るもの
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