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文化保存ギルド

【偽シナ】3rd Birthday

●序章
「これは偽典、あるは傍流である」
 仮面を着けた女は、腕に巻き付けられた本を撫でながら言った。
 髪からは炭のように火の熱が時折覗き、吐息からは灰の匂いがする。小柄ながら、異様な風体をした女は「灰の騎士」と呼ばれていた。
「貴方達がこれから挑む物語は、今は絶たれている『だろう』可能性の一つ」
 あるいは私が焼き尽くしたも夢かもしれない、と鼻で笑う。
「しかし、どんな形であれ物語が終わっていないのであれば……それは訪れるかもしれない可能性を持つ。故に」
 終わらせなくてはならない。
 『物語は、ページを引きちぎっても終わらないのだから』


●ありえたかもしれない、もう一つの歴史(20XX年X月X日、天義)

「イーリン・ジョーンズが仕損じた」
 その報せが入ったのは、まだ暑い頃だった。
 冠位傲慢の軍勢が蔓延る天義で、国力が衰えた天義国に代わって各地を巡り情報収集をする。依頼にならない程度の仕事だ。
 それを仕損じたということは何事か、そもそもその報せがどう入ったのか。ざわめくイレギュラーズを前に、ローレットの情報屋は順を追って説明した。

・情報収集中、ある村が賊徒に襲われているという話をイーリンは聞いた。
・現地の村に到着後、実際に賊徒が居ることを確認。村人Aにローレットへ先んじて連絡を依頼。イーリンは村に潜伏しつつ現地で追加の情報収集を行った。
・その直後、まるで狙ったかのように賊徒が襲来。やむを得ずイーリンは村人Bにローレットに緊急招集をするように依頼。本人もそれを追うように離脱を試みたが失敗。村に陣取れば危険と判断し、森林地帯へと逃亡。
・情報屋は村人A、Bから十分な情報を得た後にこの場にいるイレギュラーズを招集した。

「よって、君達に依頼したいのはこの賊徒の討伐及び、イーリン・ジョーンズの救出となる。知っての通り、事生存能力においては群を抜いている彼女だから現段階での生存は疑う必要はないだろう。村周辺の地図、賊徒の特徴など必要な情報はこちらにまとめておいた。現地到着までに頭に叩き込んでおいてくれ」
 情報屋は人数分の地図と、乗り合い馬車のチケットを差し出した。
「天義の最寄りのエリアに転送した後は、脚の速い馬車を乗り継いで村まで輸送する。そこからは現場判断で頼む」
 なにか質問は。最後にそういった後全員の目を見て。情報屋はイレギュラーズを送り出した。


●エリエリレマ
 彼女は英雄ではなかった。
 彼女は只人の少女だった。
 彼女は何も持ち得なかった。
 故に彼女は、自分なりに手を尽くす事にした。始めにそれは、恵まれない人への施しの手伝いだった。その中には、罪を犯す者も居た。
 故に彼女はそれを許し、寄り添う事にした。神が全てをお許しになるというのなら、その祝福を受ける人の子が他人を許そうと努力する事の、何が間違っているというのか。
 次第に彼女は、パパと、ママと、友達と、みんなと過ごす時間が増えた。何も欠けることがない日々。潮が満ちるように自然と増えていく人たち。
 浮浪者の中に、アドラステイアで戦っていたという子供が居た。背信者として国を追われた者が居た。何気ない会話の中から、彼女を慕う者が居た。
 時には都市の外に学びに出かけることも増えた。その先でも、慕う人が、彼女自身が尊敬する人も増えた。
 冠位強欲との戦いで、賊徒に身をやつした彼らもそうだ。必死に生きる人間という点で、何の罪があろうか。彼らがやむにやまれず罪を犯したのなら、それを誰かが許す必要があっただろう。

 故に

 彼女は己の最大の憧れが、自分の側に来た時。子供の持つ万能感でもなく、小さな冒険の日々から来る過信でもなく。
 ただ救済の在り処を探すようにして。

 一度だけ、闘うことを選んだ。
 その痛みは、憧れを苛んでいると知っていたから。


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●MSコメント
 初めまして。イーリンジョーンズのプレイヤーです。今回のシナリオにご参加いただきありがとうございます。
 彼女達の欠けたページを埋めていく物語。そこに何が刻まれるかは、皆様次第です。
 どうか、良い物語を紡いであげて下さい。以下、概要です。


【勝利条件】
・イーリン・ジョーンズの回収
・『賊徒』の9割以上の生存しての撃破
・賊徒の主『サバクタニ』の回収(不殺必須)

【戦場】
 天義の田舎にある村、その近くにある森です。
 賊徒は村を襲う気はなく、森林地帯に展開しイーリン・ジョーンズを探しています。
 現着は昼間になり、光源は不要です。
 また迅速な連絡と行動により、事態発生から24時間も経過していません。そのため敵に大きな消耗もありません。
 貴方達の到着を察した段階で、イーリンは合流を試み、賊徒はそれを追撃するでしょう。

【敵編成】
●賊徒の主『サバクタニ』
 イリモナインの一人、一般的な天義の少女です。が、憧れであるイーリンを深く理解する内に、彼女の孤独や痛みに気づいてしまったようです。
 故に自分達はただ救われるだけの存在ではないと示す事で、イーリンの痛みを和らげようとして今回の賊徒による戦いを挑みました。
 なので「彼女はイーリンも、イレギュラーズも殺しはしません」敗北が、周りの強さが、イーリンの負担を減らすとよく知っているからです。
 同時に彼女も、今回上手に負けることができたのなら、きっとただの少女から一つ、大人への階段を登ることが出来るでしょう。
・戦闘能力
 本来戦闘能力が無いはずですが「物理無効」「神秘無効」「R2光輝付与(パッシブ)」「R2HA回復」「グロリアスレギオン」といった強力なサポーターとしての能力を持ちます。
 また極めて聡明であり。イーリンを追い込むという際に戦力を分散せず、常に集団で行動するなど指揮官としても優秀です。
 彼女が居る限り、賊徒の士気は極めて高いです。
https://rev1.reversion.jp/illust/illust/59735

●元聖銃士×3
 サバクタニとそう年が変わらない少女達です。この中では最もタフで戦闘能力が高く、サバクタニがやるんだったら今回はわがままを聞いてあげるよ。と言う程度には強固な信頼関係がある模様。
 元々は猟師をしていたらしく、猟犬や追跡術を用いてイーリンを追い詰めていました。賊徒が大して消耗してないのは「追い込み」の大半は彼女たちが担っていた事によります。
 狩りにふさわしい能力、足止め系BSを中心に飽和攻撃で確実に狩る事を最も得意とします。

●(元)賊徒×20
 冠位強欲との戦いで賊に身をやつしていた元市民たちです。紛れもない犯罪者ではあったのですが、サバクタニにより救済を受け『自分たちもやり直すことが出来る』という安心感を持っています。その救済のために必要だという話を受け、イーリン狩りに協力しています。
 この周辺の地形に極めて強く、仮にも数年間賊として生きてきたため見た目よりずっとタフです。どのくらいタフかというと、そのへんにある頭より大きい岩を投げて範囲攻撃を仕掛けてくるくらいタフです。当然それだけでなく、弓、魔術、神聖魔法など様々な方法で戦います。元々は彼らだけで一つのコミュニティだったのです。

【友軍情報】
●イーリン・ジョーンズ
 情報収集のために立ち寄った結果えらい目に会いました。敵の真意がわからないため森に潜伏し、逃走を試みています。
 このときの彼女のクラスは「ジャンヌ」であり、HAを自己完結しています。単独無補給で逃げ回っていられるのはこのためです。
 しかし散発的な攻撃と逃亡で流石に消耗しており、皆さんと合流した後は回復支援がやっとでしょう。

この依頼の■■■■は『B』です。依頼人の言葉、持ってきた情報に嘘はありませんが、■■点もあります。

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【重要】
このシナリオは時間軸が独立しています。
よって本編でこの時期はとてもじゃないけど参加できるようなものではないとか。現在そんなキャラクター性ではないという人でも。クラスが違う等含め細かいところを無視できます。

【偽シナのルールについて】
下記スレッドを参照下さい。
https://rev1.reversion.jp/guild/520/thread/23396

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仮プレ。
火力スキルの大半を置いてきたのでこう、捻ったプレイングになったが通じると信じて。

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