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文化保存ギルド

今夜の喋り場・その57

私の部屋、ゲストと二人で喋る場所。

正確には、貴族がこの書庫という屋敷に来た際に執務を執り行うために用意された部屋。

それも今はイーリンの自室となっている。
といっても内装は殆どいじっておらず、書斎机と来客用のソファとローテーブル。本棚と唯一追加されただろうベッド。効率を重視する彼女にとって、ワンルームマンションのようになっているのだ。

おそらく、彼女自身が掃除しているのではない。そう思える小綺麗な部屋。貴方を迎えたのはそういう部屋だ。

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生きてる人間と、死んでる人間はどちらも一方通行なのよ。
死者の思いは届かないし。生者の願いはわからない。
……私は結局アイツに何を求めていたのって言われたら。ちゃんと私を見ろとしか言いようがないわね。
だけどもう、死んじゃったんだし。好きにしていいと思うのよ。
死んだ相手に縛られるというのは、いささか苦しいわ。
それ、貴方もよく知ってるんじゃないかしら。

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