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文化保存ギルド

今夜の喋り場・その56

私の部屋、ゲストと二人で喋る場所。

正確には、貴族がこの書庫という屋敷に来た際に執務を執り行うために用意された部屋。

それも今はイーリンの自室となっている。
といっても内装は殆どいじっておらず、書斎机と来客用のソファとローテーブル。本棚と唯一追加されただろうベッド。効率を重視する彼女にとって、ワンルームマンションのようになっているのだ。

おそらく、彼女自身が掃除しているのではない。そう思える小綺麗な部屋。貴方を迎えたのはそういう部屋だ。

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そうね、最近では「そうあれかし」と願えば術式の大部分をスキップできるようになってきたわね。
前みたいに「溜」を強引に魔力量でスキップするのではなくて。より繊細に……でもまぁ。今はほら、シャルロッテとおしゃべりが優先だからこうして手抜きをさせてもらってるんだけどね?
(くすくすと笑って、機嫌が良さそうなのは彼女自身がそう見せ続けるエキスパートだからなのか。しばらくして紅茶のお湯が湧くと、抽出は自分の手でやりながら。立てた点滴台もちゃぽっと音を立てる)

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