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文化保存ギルド

今夜の喋り場・その55

私の部屋、ゲストと二人で喋る場所。

正確には、貴族がこの書庫という屋敷に来た際に執務を執り行うために用意された部屋。

それも今はイーリンの自室となっている。
といっても内装は殆どいじっておらず、書斎机と来客用のソファとローテーブル。本棚と唯一追加されただろうベッド。効率を重視する彼女にとって、ワンルームマンションのようになっているのだ。

おそらく、彼女自身が掃除しているのではない。そう思える小綺麗な部屋。貴方を迎えたのはそういう部屋だ。

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その上振れた時の力を、僕は爆発力と定義するよ。
特に正義の怒りが生み出す爆発力は侮れない。
僕の好きな物語の一つだ。

そうだね……不謹慎なようで悪いけど、強いて言わせて貰うと。
「面白い」よ。今のところ、凄くね。

うん、動きもわかりやすすぎるし、解き放って暴走させたいだけならやり方が迂遠すぎる。
かと言って、伝承を信じるなら獣というより災厄のようなアレを、それ以外に利用する手段があるとは考えにくいけど。

天義は宗教と密接に結びついた国家だ。
宗教には神秘性が不可欠。その神秘性を生み出すのは「秘密」だ。
秘密が暴かれた時、神秘は単なる現象となる。けれど秘密とは外部に晒さないということ。
つまり、流れを止めてしまうということ。それは容易に腐敗を招く。
今の天義は、淀んで濁り腐った水だ。それが今、攪拌されようとしている。
汚泥を底ざらいして秘密を暴くには不可欠な行程だけど、周囲に悪臭が飛び散るのは免れないだろうね。
どれだけ汚れないようにするかにも、気を付けなくちゃいけないかもしれない。

……そういうのは、もうちょっと早く言って欲しかったかな?
(たとえ話がアレだったので食欲が失せている(元からないが)ようだ)

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