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文化保存ギルド

今夜の喋り場・その55

私の部屋、ゲストと二人で喋る場所。

正確には、貴族がこの書庫という屋敷に来た際に執務を執り行うために用意された部屋。

それも今はイーリンの自室となっている。
といっても内装は殆どいじっておらず、書斎机と来客用のソファとローテーブル。本棚と唯一追加されただろうベッド。効率を重視する彼女にとって、ワンルームマンションのようになっているのだ。

おそらく、彼女自身が掃除しているのではない。そう思える小綺麗な部屋。貴方を迎えたのはそういう部屋だ。

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欲望は乱数と捉えるべきではないかしら。
乱数の関与しない固定値のみが完成であるなら。それはさいの目なら常に4。しかし転がすようになれば、出目は1-6。4より分の悪いものであっても、6が出続ければ理論上は上回る。
しかし統計的に見ればその賭けは絶対に負けるものでしょう。
だからそうね。私なら変貌と定義するわよ。

合理性を欠くようになったハインと比べて、合理性の上で自分を使い潰していくのはどういうふうに映るのかしらね。
緩慢な自殺か、あるいは堕落か。貴方のわがままもなるべく聞いてあげたいけどね?

フローズヴィトニル……あれもきな臭いのよねぇ。なぜ新皇帝が動かないのか。
……もとより飢え気味だった国家である天義は、宗教という統率力によって耐えていた。
その根底が崩れ、国内は叛徒で溢れかえり、上層部さえ二分された状態。
その上でアドラステイアが崩壊すれば、余計な問題は更に起きるでしょう。
それをおくびにも出さないのは。「トップだけは変わらない」というのと、レオパル率いる騎士団の精強さがあるのは間違いないでしょうね。
(何か他に食べる? と首を傾げて)

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