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文化保存ギルド

【アフターコンタクト】ある夜の出来事2

●イントロダクション

 その夜、貴方がその店を訪れたのは、ある女に招待されたからだった。ある女、というのは語弊がある言い方かもしれない。なぜなら、少なくとも死線を一度は一緒に潜った仲なのだから。
 死線というにはあまりに圧勝だったのではないだろうか。
 銃身が焼き付くことさえ無い圧倒的な補給と破壊、先陣を切る人間さえ重傷を負わない圧勝。
 それが死線?
 そんな疑問も持つかも知れない。貴方がそんな疑問を抱いたのは、もしかしたら――王都の中心街付近にある、三階の、少し見晴らしのいい――おまけに店のドアを開ける前に、向こうから開けてくるような――一見さんお断りではないのか、と思うほどに、小洒落たバーに案内されたからかもしれない。
 その中の窓際、しかも個室に案内されたところで。存外、質素なローブに身を包んだ紫髪の女が、へらへらと手を振った。


【状況】
・ヴィーグリーズ会戦にて「騎戦の勇者率」率いる「騎兵隊」は記録的大勝利を収めました
・貴方は「伝説の大軍勢」である「騎兵隊」に参戦しました
・今夜のバーは「バイト代」です
・バーは眺めが良いですし、綺麗ですし、頼めばだいたい何でも出てきます。王都で個室で窓際ということで、にぎやかな大通りが見られます。

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ぐっとグラスのシャンパンを一口煽る。それからううん、と目を細めて

「シスターの上司は神様でしょ。まぁ私は元々司祭だから、あなたが司祭より階位が低いなら上司ということになるかもね?」

冗談めかしてから味は……と小さくぼやく。
目を細めて、鼻から抜ける香りを楽しむような素振りを見せて

「……ちょっと辛口。香りはちょっとだけバニラを感じるわね。フルーツの主張が強いけど、後味は調和が取れてまろやかな感じ……。あー、うん、これ割と高いやつだわ」
 そのままグラスをおかずにカナッペを1つ掴んでもしゃっと一口。そうしたらはっと顔を上げて。
「あ、うん! やっぱりこっちとセットで食べるようになってるわね。エビの甘みと混ざると丁度いい感じに私は感じる。やっぱりちゃんと考えられてるのねぇ……」
と、そこまで言ってから、頬を赤くする。
解説のつもりが、どう見ても初めて食べた、ド素人丸出しであることに。

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