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文化保存ギルド

【アフターコンタクト】ある夜の出来事2

●イントロダクション

 その夜、貴方がその店を訪れたのは、ある女に招待されたからだった。ある女、というのは語弊がある言い方かもしれない。なぜなら、少なくとも死線を一度は一緒に潜った仲なのだから。
 死線というにはあまりに圧勝だったのではないだろうか。
 銃身が焼き付くことさえ無い圧倒的な補給と破壊、先陣を切る人間さえ重傷を負わない圧勝。
 それが死線?
 そんな疑問も持つかも知れない。貴方がそんな疑問を抱いたのは、もしかしたら――王都の中心街付近にある、三階の、少し見晴らしのいい――おまけに店のドアを開ける前に、向こうから開けてくるような――一見さんお断りではないのか、と思うほどに、小洒落たバーに案内されたからかもしれない。
 その中の窓際、しかも個室に案内されたところで。存外、質素なローブに身を包んだ紫髪の女が、へらへらと手を振った。


【状況】
・ヴィーグリーズ会戦にて「騎戦の勇者率」率いる「騎兵隊」は記録的大勝利を収めました
・貴方は「伝説の大軍勢」である「騎兵隊」に参戦しました
・今夜のバーは「バイト代」です
・バーは眺めが良いですし、綺麗ですし、頼めばだいたい何でも出てきます。王都で個室で窓際ということで、にぎやかな大通りが見られます。

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「あん? 対価は金で受け取った筈だが……まぁここまで来たんだしお言葉に甘えときましょうか」
 椅子を引き、席に着いて前を向けば彼女が煙草を咥えている。相も変わらず少女の見た目から想像しにくい光景だと思う。口にはしないが。
「おう、悪いわね」
 同じくケースから取り出し、咥えて火を灯す。紫煙たゆたう空間の中、改めて彼女の顔に視線を移し。
「お疲れさん、大将」
 悪戯めいた笑顔で言葉を投げかけるだろう。

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