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文化保存ギルド

【ファーストコンタクト】ある夜の出来事

●イントロダクション

 その夜、その店を選んだのは、その街路の中では少し小綺麗だったからかもしれない。あるいは「もがれる野菜亭」という珍奇な名前のせいだったのかも知れない。
 見た目より広い店の、案外長いカウンターの一席に、貴方は腰掛けた。その店はごろつきから冒険者風、貴方も含めて聖職者風も居る、ごった煮のような場所だった。それでも居心地が良いのは、少なくともその連中が多少なりとも弁えているからだろうか。
 店主が貴方の注文を聞いて少しした後。隣、いいかしらと声がかかる。貴方が気にもかけずに居ると、その女は遠慮なく隣りに座った。
 小さな背、紫の髪、紅い目、少女そのものの顔立ち。
「アイスミルク。ダブルで。あと適当にお願い」
 慣れた口調で注文する彼女の姿を見た貴方を見ずに、懐から取り出した紙巻たばこを咥えようとして、彼女は貴方を見た。
「煙草、吸ってもいいかしら?」


【状況】
・ここは宿屋兼酒場「もがれる野菜亭」のカウンターです。
・貴方はたまたまそのカウンターに座っていました。
・貴方と彼女は、まだお互いのことを何も知りません。
・貴方は彼女の事を一方的に知っていても構いません。「騎戦の勇者」のパレードは、先日行われたばかりですから。

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「なるほどねぇ、そういう勤勉さ、私は好きよ。」
 コルネリアとのお喋りにも慣れてきたのか、たまたま見つけただけ、という部分にもそんな評価を言ってしまって。

「そういうことにしておくわ、魅力がない勇者なんてあんまりにあんまりだしね」
 ふう、と一息ついてから。思い返して。
「あれは確か……」
 そう言って懐かしむように語り始める。
https://rev1.reversion.jp/scenario/ssdetail/808

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