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文化保存ギルド
実際そのとおりなのだろう。彼女がローレットでも名うての存在で、しかも幻想の勇者様だと喧伝すれば、店は盛り上がるだろうが居心地は悪くなる。それを理解しているから、店主は今日もイーリンにいつもどおり対応しているし。コルネリアのオーダーにすぐにカルアミルクを用意してくれるのだ。ここのカルアミルクはかなり甘く作られており、その奥にピリっとアルコールを感じられる。
「あら、そうだったの? 残念。私かなり敬虔だったのに。ま、それでもリスペクトの対象であることにはかわりないわよ」
遠慮なく出された生ハムとチーズを食べながら、意外な名前に一瞬硬直する。
「んぁ、ああ。私には三人弟子が居るけど。その中で金髪っていったらココロのことね。なに、あの子が貴方に迷惑かけたりした? あの子押しが強い上に頑固だから、何かやらかしたらごめんなさいね?」
不意にまた表情が変わる。その表情はさっきまでの子供のようなそれとは違い、自分の子供の面倒を見る親のような、優しくもちょっと心配したような顔だ。
「あら、そうだったの? 残念。私かなり敬虔だったのに。ま、それでもリスペクトの対象であることにはかわりないわよ」
遠慮なく出された生ハムとチーズを食べながら、意外な名前に一瞬硬直する。
「んぁ、ああ。私には三人弟子が居るけど。その中で金髪っていったらココロのことね。なに、あの子が貴方に迷惑かけたりした? あの子押しが強い上に頑固だから、何かやらかしたらごめんなさいね?」
不意にまた表情が変わる。その表情はさっきまでの子供のようなそれとは違い、自分の子供の面倒を見る親のような、優しくもちょっと心配したような顔だ。
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その夜、その店を選んだのは、その街路の中では少し小綺麗だったからかもしれない。あるいは「もがれる野菜亭」という珍奇な名前のせいだったのかも知れない。
見た目より広い店の、案外長いカウンターの一席に、貴方は腰掛けた。その店はごろつきから冒険者風、貴方も含めて聖職者風も居る、ごった煮のような場所だった。それでも居心地が良いのは、少なくともその連中が多少なりとも弁えているからだろうか。
店主が貴方の注文を聞いて少しした後。隣、いいかしらと声がかかる。貴方が気にもかけずに居ると、その女は遠慮なく隣りに座った。
小さな背、紫の髪、紅い目、少女そのものの顔立ち。
「アイスミルク。ダブルで。あと適当にお願い」
慣れた口調で注文する彼女の姿を見た貴方を見ずに、懐から取り出した紙巻たばこを咥えようとして、彼女は貴方を見た。
「煙草、吸ってもいいかしら?」
【状況】
・ここは宿屋兼酒場「もがれる野菜亭」のカウンターです。
・貴方はたまたまそのカウンターに座っていました。
・貴方と彼女は、まだお互いのことを何も知りません。
・貴方は彼女の事を一方的に知っていても構いません。「騎戦の勇者」のパレードは、先日行われたばかりですから。