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文化保存ギルド
「ま、ここに居るのはだいたい気のいい連中よ。私が行きつけにしてるのはそれが理由。あとほら、深入りしてこないしね――」
そう言って、迂闊に見せびらかしてしまった事を反省するように指輪のつけている手をジョッキに戻すと。ミルクを一口。コルネリアの言葉を聞いて、くすっと茶目っ気たっぷりにウィンクして。
「如何にも、まさか真名のほうで覚えているとは。貴方なかなかやるわね。紫髪の司書、とか、馬の骨とかのほうが幻想では通りがいいんだけど。ま、それなら私のことはイーリンと呼んで頂戴。真名を呼んで、呪うタイプじゃないでしょ、貴方」
そういってクスクスと笑って、乾杯しましょうかとコルネリアにミルクの入ったジョッキを向ける
そう言って、迂闊に見せびらかしてしまった事を反省するように指輪のつけている手をジョッキに戻すと。ミルクを一口。コルネリアの言葉を聞いて、くすっと茶目っ気たっぷりにウィンクして。
「如何にも、まさか真名のほうで覚えているとは。貴方なかなかやるわね。紫髪の司書、とか、馬の骨とかのほうが幻想では通りがいいんだけど。ま、それなら私のことはイーリンと呼んで頂戴。真名を呼んで、呪うタイプじゃないでしょ、貴方」
そういってクスクスと笑って、乾杯しましょうかとコルネリアにミルクの入ったジョッキを向ける
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その夜、その店を選んだのは、その街路の中では少し小綺麗だったからかもしれない。あるいは「もがれる野菜亭」という珍奇な名前のせいだったのかも知れない。
見た目より広い店の、案外長いカウンターの一席に、貴方は腰掛けた。その店はごろつきから冒険者風、貴方も含めて聖職者風も居る、ごった煮のような場所だった。それでも居心地が良いのは、少なくともその連中が多少なりとも弁えているからだろうか。
店主が貴方の注文を聞いて少しした後。隣、いいかしらと声がかかる。貴方が気にもかけずに居ると、その女は遠慮なく隣りに座った。
小さな背、紫の髪、紅い目、少女そのものの顔立ち。
「アイスミルク。ダブルで。あと適当にお願い」
慣れた口調で注文する彼女の姿を見た貴方を見ずに、懐から取り出した紙巻たばこを咥えようとして、彼女は貴方を見た。
「煙草、吸ってもいいかしら?」
【状況】
・ここは宿屋兼酒場「もがれる野菜亭」のカウンターです。
・貴方はたまたまそのカウンターに座っていました。
・貴方と彼女は、まだお互いのことを何も知りません。
・貴方は彼女の事を一方的に知っていても構いません。「騎戦の勇者」のパレードは、先日行われたばかりですから。