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文化保存ギルド
「ふふ、まぁね。私も個々の名前に惹かれて最初に入ってきたクチだから、わかるわ」
指先に灯した火を消してから。マスターに声をかける。おすすめ2つと。
「ここはローレット経由じゃない依頼も斡旋してるからね。議論を深めるにしても、なにか食べる物があったほうがいいでしょう? 文無し連中が安いスープを吸いながら、安い仕事やあらっぽい仕事で小銭を稼いでまた食べに来る。そういう場所よ、ここは。まぁでも」
そう言ってコルネリアの方を向いて、カウンターに腕を置きながら軽く煙を吐いてくすっと笑う
「そういった連中からせっかくの小銭を巻き上げるためにいい酒を置いてるのよ、ここは。いやぁ見事な商売よっと――いや、私は魔術師ってガラじゃないわ。これはタダのマジックアイテム」
ほら、とそう言って火を灯していた指をくるっとひっくり返すとそこにはめられている指輪。金のような、しかし色あいは緋色に近い、太陽のような、夕暮れのような不思議な色をした指輪。その指輪をよく見ればわかるだろう。刻まれたローレットの紋章。しかもそれは「活躍した人間にしか与えられない代物」だと。
指先に灯した火を消してから。マスターに声をかける。おすすめ2つと。
「ここはローレット経由じゃない依頼も斡旋してるからね。議論を深めるにしても、なにか食べる物があったほうがいいでしょう? 文無し連中が安いスープを吸いながら、安い仕事やあらっぽい仕事で小銭を稼いでまた食べに来る。そういう場所よ、ここは。まぁでも」
そう言ってコルネリアの方を向いて、カウンターに腕を置きながら軽く煙を吐いてくすっと笑う
「そういった連中からせっかくの小銭を巻き上げるためにいい酒を置いてるのよ、ここは。いやぁ見事な商売よっと――いや、私は魔術師ってガラじゃないわ。これはタダのマジックアイテム」
ほら、とそう言って火を灯していた指をくるっとひっくり返すとそこにはめられている指輪。金のような、しかし色あいは緋色に近い、太陽のような、夕暮れのような不思議な色をした指輪。その指輪をよく見ればわかるだろう。刻まれたローレットの紋章。しかもそれは「活躍した人間にしか与えられない代物」だと。
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その夜、その店を選んだのは、その街路の中では少し小綺麗だったからかもしれない。あるいは「もがれる野菜亭」という珍奇な名前のせいだったのかも知れない。
見た目より広い店の、案外長いカウンターの一席に、貴方は腰掛けた。その店はごろつきから冒険者風、貴方も含めて聖職者風も居る、ごった煮のような場所だった。それでも居心地が良いのは、少なくともその連中が多少なりとも弁えているからだろうか。
店主が貴方の注文を聞いて少しした後。隣、いいかしらと声がかかる。貴方が気にもかけずに居ると、その女は遠慮なく隣りに座った。
小さな背、紫の髪、紅い目、少女そのものの顔立ち。
「アイスミルク。ダブルで。あと適当にお願い」
慣れた口調で注文する彼女の姿を見た貴方を見ずに、懐から取り出した紙巻たばこを咥えようとして、彼女は貴方を見た。
「煙草、吸ってもいいかしら?」
【状況】
・ここは宿屋兼酒場「もがれる野菜亭」のカウンターです。
・貴方はたまたまそのカウンターに座っていました。
・貴方と彼女は、まだお互いのことを何も知りません。
・貴方は彼女の事を一方的に知っていても構いません。「騎戦の勇者」のパレードは、先日行われたばかりですから。