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文化保存ギルド

【ファーストコンタクト】ある夜の出来事

●イントロダクション

 その夜、その店を選んだのは、その街路の中では少し小綺麗だったからかもしれない。あるいは「もがれる野菜亭」という珍奇な名前のせいだったのかも知れない。
 見た目より広い店の、案外長いカウンターの一席に、貴方は腰掛けた。その店はごろつきから冒険者風、貴方も含めて聖職者風も居る、ごった煮のような場所だった。それでも居心地が良いのは、少なくともその連中が多少なりとも弁えているからだろうか。
 店主が貴方の注文を聞いて少しした後。隣、いいかしらと声がかかる。貴方が気にもかけずに居ると、その女は遠慮なく隣りに座った。
 小さな背、紫の髪、紅い目、少女そのものの顔立ち。
「アイスミルク。ダブルで。あと適当にお願い」
 慣れた口調で注文する彼女の姿を見た貴方を見ずに、懐から取り出した紙巻たばこを咥えようとして、彼女は貴方を見た。
「煙草、吸ってもいいかしら?」


【状況】
・ここは宿屋兼酒場「もがれる野菜亭」のカウンターです。
・貴方はたまたまそのカウンターに座っていました。
・貴方と彼女は、まだお互いのことを何も知りません。
・貴方は彼女の事を一方的に知っていても構いません。「騎戦の勇者」のパレードは、先日行われたばかりですから。

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コルネリアの話になるほどねぇ、と頷く彼女の前にドンとマスターが持ってきたのは、ジョッキにたっぷりの氷と牛乳が注がれた物体。文字通り、アイスとミルクのダブルである。

「いい名前ですって、良かったわねマスター?」
コルネリアの言葉をそのまま告げると、マスターは美人に言われるのなら悪くない、と小声で言ってから、どうぞごゆっくり、レディとコルネリアに言った。
「……と、まぁ。ここは私の行きつけでね、貴方なかなかいい嗅覚をしてるじゃない? ここはスープバーと治安の良さが売りでね」
そう言って振り返って顎で示すと、50G飲み放題、と書かれたどでかい寸胴鍋が置かれており、時々というか、だべってる連中はほとんどその鍋からのスープをティーカップに入れて片手に持っている

「廃棄されるクズ野菜や、常連の持ち寄った材料を使った闇鍋みたいなスープだけど、安いし、栄養もあるし、いつでもあるしで。あれと10Gのパンで半日粘る奴も居るわ。そしてそれでも荒事が起きないのは、店主の手腕ってところかしら」
くすくすと楽しげに笑って、煙草に火を付ける前にミルクを一口呑んでから、指輪をはめた右手を差し出す。小さな、白い、子供そのものの柔らかそうなお手々の指先を、パチンと鳴らすと、その指先に小さな火が灯った

「だから、この店でスープじゃなくて酒を最初に頼むのは新顔か、慣れたやつのどっちかよ」
穏やかな表情は、その手とは違って、どこか大人びていた。

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