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ギルドスレッド

幻の箱庭

【徒然綴り】01.

『この無辜なる混沌
 ――フーリッシュ・ケイオスのどこかにある波の穏やかな入り江。
 その岬には、小さな廃教会がありました。
 誰も住んでいないと、誰もが思っていました。
 だってこんな何もない場所に、誰も、用などないのですから。

*---*
雑談という名のシュゼットの日々の綴り。
混ざっても、気にしなくても。

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(岬の先に座り、足をぱたぱた。ハミングが微かに聞こえて、今日は機嫌がいいらしい)
あそこに生ってた木の実…もう熟れてるかしら。それともおサカナ…?
………ま、また迷った。どこだ此処は…。
暇だからって、似合わねぇ遠出なんかするもんじゃねぇな。はぁ~~……。ん?人家かありゃ。(教会を見つけそこまで行き)

教会か……随分とボロっちいな。
誰か居りゃ良いんだが…おーい、誰か居るかー?(教会の前で呼び掛け)
(声に気付いてきょとん、教会の裏口からふわりと駆け戻ると、
壊れた窓から物珍しそうに顔を覗かせる)
…人? 誰かしら?
……誰も居ねぇか…ん?(窓から覗いている少女に気付き)

お、嬢ちゃん此処の子か?ちょっと聞きたいことがあるんだが。(窓のそばに近付き)
ここの子、かどうかは分からないけれど、ここにはずっと居るわ。
なにかしら、わたしに答えられる事ならいいけど。
ずっと?…ふーん…そうなのか。(一瞬訝しげな顔をし)
んじゃ、聞くが…此処はどこだ?
んー…岬の教会、かしら。
ここに来る人は、ここをそう呼ぶわ。
でも貴方は貴方の好きに呼んでいいのよ?
み、岬の教会…。
じ、じゃあ、俺もそう呼ばせてもらうな。
もう一つ聞きたいんだが…具体的には混沌のどの岬にある教会なんだ?
? …こんとん…?
(軽く首を傾げて考え込み)
ああ、あれのことかしら?
(ひょいっと教会の中に引っ込んで入口の側へ、
壁に貼ってある古びた地図を覗き込む)
うーん、前に来た人がこの辺、とかって指差してたと思うんだけど…
どこだったかしら? ここ? …こっちかも?
(幻想の外れ、海洋に近い辺りの海を指差すが、詳しい位置は分かっていないらしい)
(後から付いて行き教会の中の地図を見て)
うっそだろマジかよ…何処まで来てんだ俺は。馬鹿だろ本当に。さて…どうすっかねぇ…。(頭をガシガシと掻き)

あぁ、教えてくれてありがとよ嬢ちゃん。
礼をしたいところだが、今は持ち合わせがなくてな。(ポケットを漁り何かが指に当たり)
と、こいつで勘弁しちゃくれねぇか?(グレープ味の飴を差し出し)
どういたしまして。
ありがとう、(受け取った飴を透かして見ながら)綺麗な宝石ね。

…一休みして考えたら?
ここは誰のものでもないから、誰にも怒られないし。
…そうさせてもらうか。(適当な長椅子に腰掛け)
それと、それは宝石じゃねぇよ?飴って言う甘い菓子だ。試しに舐めてみな?
(ひとつ前の長椅子に後ろ向きに乗っかってぺたんと座り)
宝石じゃないの?
(もう一度眺めまわしてから、ぱくりと口へ)
もごもご…ん、ホント、甘いわ。
そういえば昔、貰ったことがある、かも?
だろ?
てか、かもって覚えてねぇのかい?
んー…だいぶ昔だから、覚えてない。
でも甘いのは覚えてるから、食べたことはあるんだと思うわ。おんなじ味。
そ、そうかい。
それに昔って、嬢ちゃんそんなに生きてんのか。
数えてないからよくわからないけど…、ずーっと前な気はするわ(こくり)
そ、そんな昔なのか…。
記憶も曖昧とは、難儀なこったな。
特に困ってないから、だいじょーぶ。
のんびりするのも楽しいし。
あれま、お気楽。
記憶がないゆえの解放感ってか?
うん、そう、おきらく。ふふ。
朝がきてー夜がきてー。まいにちのんびりだから。
今日はいつもと違う日で楽しいわ。
のんびりなのは羨ましい限りだな。
楽しい…か?こんな見ず知らずな男と話して。
うん、たのしいわ。
あなたも楽しかったら嬉しいけど。
知ってる人なんて、あまりいないし。
俺も嬢ちゃんと話すのは楽しいぜ?
じゃあ俺と嬢ちゃんは、もう知り合いだな?こうやって話してるし。

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