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旅一座【Leuchten】

【PPP2周年記念SS】旅一座ラサ公演『声をなくした男』

このSSは、本ギルドのメンバーの許可を得て、作成されたSSです。
出演メンバーは以下の通りとなっております。出演を許諾して下さってありがとうございました。
・ヨタカ・アストラルノヴァ(p3p000155)
・ジェイク・太刀川(p3p001103)
・Ring・a・Bell(p3p004269)
・Rêve=amas=Dētoiles(p3p006642)
・ノアルカイム=ノアルシエラ (p3p000046)
・Azathdo=Hgla=Thusxy(p3p005090)
・津久見・弥恵(p3p005208)
・華蓮・ナーサリー・瑞稀(p3p004864)
・ヴェルフェゴア・リュネット・フルール(p3p004861)
・奏者 夢現 (p3p005157)
・律・月(p3p004859)
・夜乃幻

さぁ、幕が上がります。どなたさまも瞬きを忘れませんよう。

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 舞台全体は今明るく照らし出され、人の形をした紙は思い思いの動きをする。中央に建った家には楽しげな3人の人影が見えていた。その人影の一つが動いて、ラサ風の衣装を着た律が現れる。村の人々に挨拶しながら、幸せそうに楽しそうに、どこか郷愁を誘う歌を美しい声で独唱する。その美声に客は圧倒される。
 「兄貴、ルル、ちょっと行商してくるよ!」
 律が舞台から降りて、しばらく経ったあと、舞台上にAzathdoが現れる。客はざわつく。Azathdoのあまりの異形に化け物だという声まで上がる。だが、Azathdoはそれを介せず、只、舞台の中央まで進む。ゆっくりとしたどこか眠くなるようなフルートの音が聞こえたような気がした。舞台は反転して、人々が殺し合い、家々を燃やし尽くしていく。逃げる人。殺す人。焼く人。それを静かにAzathdoは見て、悲しげに去っていく。フルートの音が消えた頃、村に生きている人は誰一人いなかった。
 舞台は回転し、焼け野原になった村に切り替わる。そこへ律が帰ってくる。村の惨状を見て膝から崩れ落ちる律。
「兄貴、ルル! あぁ、一体何が起きたんだ!」
 よろめきながら立ち上がり、律は焼けた家を一軒一軒、見て回る。殺し合ったであろう姿に嘔吐しながら、必死に探し回る律。少しずつ暗くなっていく舞台。でも、兄も妹もどこにもいなかった。
「兄貴、ルル!!! あああああああああああああああぁぁぁぁぁ!!!!!!!」
 両手で頭を抑え、天を見開き、絶叫し、膝を折る。そして、地面に頭をこすりつけて、どれほどたっただろうか。喉に手を当て、声を絞り出そうとする律。だが、あの美声は失われ、喉をかするようなヒューヒューとしか声がでない。
電光掲示板に律の心の声が流れてくる。
(…………ん……んん!……声が出ない……。……声が出たなら、きっと俺は神を呪うだろう……。兄貴やルルを救ってくれなかった神を……。……俺一人を残した、この運命を……。……これが神の采配か……。……俺は一体どこへ行けばいいんだ……)
 律は方々をさまよい歩き、服は徐々にボロボロになっていく。舞台が変わるたびに華蓮達が人波となって、吹き飛ぶ木の葉となって、律の服を早着替えさせる。

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