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白亜の時計塔

【ep.2】ホール

時計塔の下部にある廃れたホール。
見上げる程に高い天井には些細な音もよく響き、明かり取りのひび割れたステンドグラスからは微かに日の光が差し込んでいる。
憩いの場所であった証なのか、そこかしこには長椅子やテーブルが使われる事を待ち望んでいるかのように鎮座している。
物寂しい内観とは裏腹に、中は程良い温度で保たれ、構造の性質からかそっと瞳を閉じて耳を澄ませば、多くの音を捉える事ができる。
廃棄されてからそれなりの年数が経っているはずだろうに、内部の埃や砂は不自然にも清掃されていた。

雨宿りや旅の休息に、立ち寄る者もいるようだ。

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そうでしたか。
この辺りは高台に面している上に、人もあまり寄り付かないですし、希少種の野草でなければ、お探しのものは見つかるかもしれませんね。
なるほど、魔術師……そのお姿からして、旅人さん、でしょうか。
ふむ、こちらの世界に来て、色々とご不便はございませんか?
旅人はたくましい方が多いので、杞憂かもしれませんが(くすりと笑って

時には共に寄り添い、時には得難い糧として……。
ヒトが当たり前に生きていく為に必要な生命ですから。
……けれど、弱いものを虐げるヒトも、時々はいます、から……(何かを思い出したのか目を伏せ足元の猫達を懐から出した布でそっと撫でながら)
は、そういえば、貴方様もそのままでは……(ずぶ濡れではないかと心配そうに

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