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白亜の時計塔

【ep.1】展望台

心地よい風の吹く、見晴らしのいい展望台。
塔の裾野には夕暮れに染まる街、そしてその向こうには薄雲で霞む山々が連なっている。
ふと見上げればあらゆる命あるものを優しく包み込むように、黄昏の光が《貴方》をそっと照らしていた。

*少人数でのお話場所。

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(少し考えてから)
そう、ですね。私と同じシリーズに関してならば、痛覚にも温度に対しても鈍いかと思われます。
例えば指先が切り落とされたとしたら、感じるのは痛みでは無く不便さではないかと、思います。
だから――えぇ、そうですね。
痛みを分かち合えないのは、少しだけ寂しいと感じる…かもしれません。
しかしパーツを交換しさえすればすぐに動けるようになるので、それは利点かもしれませんね。
(ゆっくりと瞬きをして、どこか真剣な表情で真っすぐに見つめ)
良ければ…調子の良い、気が向かれた時でいいのです。
もし良ければ、飛んでいる様子を見せていただけないでしょうか。

…差し出がましいかもしれませんが、その…どなたかの帰りを、待っていらっしゃるのですか?
(立ち上がり、少しだけ近づいて再び座り)
私も、探しているのです。
空が好きだと言っていた主が、空が見える所にいないかと、思って。
だからきっと、ここに来たのです。

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