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白亜の時計塔

【ep.1】展望台

心地よい風の吹く、見晴らしのいい展望台。
塔の裾野には夕暮れに染まる街、そしてその向こうには薄雲で霞む山々が連なっている。
ふと見上げればあらゆる命あるものを優しく包み込むように、黄昏の光が《貴方》をそっと照らしていた。

*少人数でのお話場所。

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(同意するようにこくりと頷き)
そうですね、小さな人型は特に、家の外に出ることはあまり無いかと思いますので、見る機会が少ないのかもしれません。
外で仕事をするのは、大きな、力を持った鉄騎種ですし。
それにその、無いものねだりかとは、思いますが。
私はその白い羽こそ羨ましく思います。
(動く羽をじっと見つめて)どこまでも飛んでいけそうな、自由の象徴のようで。
素敵だと、思うのです。

(何か言いたげに口を開くが、言葉にしないまま口を閉じ)
…きっと、大きくなって、戻ってきてくれると思います。
家は、帰るもののはずですから。
あぁ、いえ、私はーー何故か、空が見たいと、思ったので。
その思いのまま、空がよく見える場所を探していたのです。

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