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月夜二吼エル
……勉強家なのは、悪くは無い。
Calamus Gladio Fortior(ペンは剣よりも強し)ーー知恵は力だ。
(そう、この言葉には続きがある…ペンは時に剣よりも残酷である、と。獣の仔の僅かな変化を感じ取っては先程までとは一変、薄い唇は緩やかに弧を描き…声色も諭すような安心感を齎すような柔らかいものだが。金と蒼の瞳からは表情が消え、冷たく冴えた氷の如く。視線を誰に向けるでも無い。叛逆者、復讐者としての貌を垣間見せて。)
と、悪ィ…つい、な。
俺の料理はーーまぁ、食えなくは無い程度だ。
(右手に微かに触れた黒獅子の耳は意外と柔くーー然れど少女の驚きを示すかの様に跳ねたそれに申し訳無いとばかりに眉尻を下げて。乱してしまった短い黒髪を整えた後、右手を離して。→
Calamus Gladio Fortior(ペンは剣よりも強し)ーー知恵は力だ。
(そう、この言葉には続きがある…ペンは時に剣よりも残酷である、と。獣の仔の僅かな変化を感じ取っては先程までとは一変、薄い唇は緩やかに弧を描き…声色も諭すような安心感を齎すような柔らかいものだが。金と蒼の瞳からは表情が消え、冷たく冴えた氷の如く。視線を誰に向けるでも無い。叛逆者、復讐者としての貌を垣間見せて。)
と、悪ィ…つい、な。
俺の料理はーーまぁ、食えなくは無い程度だ。
(右手に微かに触れた黒獅子の耳は意外と柔くーー然れど少女の驚きを示すかの様に跳ねたそれに申し訳無いとばかりに眉尻を下げて。乱してしまった短い黒髪を整えた後、右手を離して。→
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秋風と窓から射し込む月明かり…耳朶を撫でるのはまるで囁く様な木々のざわめきと、梟に似た猛禽の夜啼き。そう、己は彼らに誘われたのだ。
『Du liebes Kind, komm, geh mit mir.
Gar schöne Spiele spiel ich mit dir』
何処か愉しそうな弾んだ聲。今や遠く離れた異国…否、異世界の唄を紡ぐ薄い唇は酷く歪む。嗚呼、何と愉快な二度目の人生だろう。焼け落ちる廃墟で終わる筈だった心臓の鼓動は未だに止まる事は無く。何の因果か、流れ流され異界へ。詩に出てくる魔王では無いが、獣人の少女を『拐った』。無論、生きたままだが。
暗夜に溶け込む様な黒衣を翻し、己が向かう先はお気に入りの場所。
馬鹿と煙は何とやらーー廃墟の屋根の上が何時からか思案に耽る際の定位置となっていた。
月明かりが心地好く、己が影は長く細く伸びる。
「嗚呼、渇く。」
何の欲求で己の身や心が渇くのか。
身の渇きは癒せぬだろうが、心の渇きは癒せる。
何と無く、そう、何と無く。
拾った少女と他愛無い話がしたくなったのだ。明日の食事は何にしよう?おんぼろ屋敷に何を置こう?君は何をしたい?
過去に触れる無粋な事はしない。ただ、日々を謳歌させたいのだ。妹孝行が出来なかった姉の自己満足で。
「嗚呼、分からんな。」
何をすれば、良い?
目元まで伸びた前髪を掻き上げて呟く。夜空を仰ぎ見ても月は沈黙を貫き。
夜風は己が問いを掻き消して行ったーー
(/ジュア様とレイチェルのRPスレです。置きレス形式。期間は話のキリの良い所まで。宜しくお願いしますー!)